外国人の採用では、日本人と同様の雇用手続きに加え、在留資格の確認や出入国在留管理庁への申請、外国人雇用状況の届出などが必要になる場合があります。 

「海外にいる外国人を採用する場合、会社は何をすればよいのか?」
「すでに日本で働いている外国人なら、そのまま採用しても問題ないのか?」
「上場企業や大企業では、就労ビザの必要書類が少なくなるというのは本当か?」

このような疑問をお持ちの企業の人事・採用・法務担当者に向けて、在留資格「技術・人文知識国際業務」、「高度専門職」をメインに外国人採用の基本的な流れから、企業規模による申請書類の違い、採用後の届出まで解説します。全体を理解していただくための横断的な記事ととらえていただければ幸いです。(少し長いです)。

※本記事は、2026年10月21日時点の出入国在留管理庁・厚生労働省の公表資料を基に作成しています。

CONTENTS
  1. 外国人を採用するための手続きについて
    1. 採用パターン別の主な手続き
  2. 外国人採用で確認すべき在留資格の種類
    1. 技人国ビザで認められる仕事内容とは?
  3. 外国人採用の流れ|内定から入社までの7ステップ
    1. STEP 1.採用予定者の在留状況を確認する
    2. STEP 2.学歴・職歴と予定業務の適合性を確認する
    3. STEP 3.雇用条件を決定する
    4. STEP 4.必要な在留資格申請を判断する
    5. STEP 5.必要書類を準備して申請する
    6. STEP 6.許可内容を確認して入社する
    7. STEP 7.採用後の届出と在留期限の管理を行う
  4. 【大企業向け】会社の規模によって就労ビザの必要書類は変わる?
    1. 企業カテゴリーの比較
    2. 上場企業だから必ず許可されるわけではない!
  5. 外国人採用に必要な書類一覧
    1. 外国人本人が準備する主な資料
    2. 企業が準備する主な資料
    3. 2026年4月15日からの技人国申請資料の変更
  6. 海外から外国人を採用する場合のスケジュール
    1. 入社予定日から逆算した準備例
  7. 外国人留学生を新卒採用する場合の注意点
  8. 外国人の中途採用では、就労ビザの変更が必要?
    1. 中途採用時のチェック項目
  9. 外国人を採用した後に企業が必要な届出
    1. 外国人雇用状況届出の期限
    2. 入社後は在留期限の管理も重要
  10. 【2026年10月改定】外国人の在留資格変更・更新にかかる手数料
    1. 2026年10月1日以降の申請に適用される主な手数料
  11. 大企業が外国人雇用で注意すべき5つのリスク
    1. ① 採用後に仕事内容が変わる
    2. ② 採用部門と現場の仕事内容が異なる
    3. ③ 派遣先・客先常駐での業務内容を把握していない
    4. ④ 在留期限を把握していない
    5. ⑤ 複数拠点で外国人雇用の管理方法が異なる
  12. 外国人採用チェックリスト【企業人事・法務部向け】
    1. 採用・選考段階
    2. 内定・申請準備段階
    3. 入社直前・入社時
    4. 入社後
  13. 外国人採用についてよくある質問(FAQ)
    1. Q1.外国人を採用する場合、必ず就労ビザを取得する必要がありますか?
    2. Q2.外国人社員を正社員として採用すれば、就労ビザは取得できますか?
    3. Q3.上場企業であれば、就労ビザの申請書類は不要ですか?
    4. Q4.日本で働いている外国人を転職採用する場合、ビザ変更は必要ですか?
    5. Q5.外国人社員の在留資格更新は会社が行うものですか?
    6. Q6.外国人の採用後、ハローワークへの届出は必要ですか?
    7. Q7.外国人を採用する際、日本語能力試験N2は必須ですか?
    8. Q8.外国人社員を営業部から工場へ異動させても問題ありませんか?
    9. Q9.海外から外国人を採用する場合、入社まで何か月かかりますか?
    10. Q10.外国人の在留資格申請を行政書士にまとめて依頼することはできますか?
  14. まとめ|外国人採用では、入社前の確認と採用後の管理が重要
  15. 外国人雇用・在留資格申請に関する法人様からのご相談
  16. 関連記事
  17. 参考資料・公式情報
  18. 問い合わせ
  19. 044-379-8319

外国人を採用するための手続きについて

日本国内での転職採用、海外からの新規採用、留学生の新卒採用では、必要な手続きがそれぞれ異なります。

採用パターン別の主な手続き

採用予定者の状況主な手続き
海外に住む外国人を日本で採用する在留資格認定証明書(COE)交付申請、査証申請、入国手続き
日本の大学等に在籍する留学生を新卒採用する留学から就労可能な在留資格への変更許可申請
日本国内で就労している外国人を転職採用する現在の在留資格と新しい業務内容の適合性確認
必要に応じて変更申請等
永住者・定住者・日本人の配偶者などを採用する原則として就労活動に制限はないため、通常は就労ビザへの変更不要
海外グループ会社の社員を日本に異動させる企業内転勤、技人国、高度専門職などの適切な在留資格を検討
特定技能外国人を採用する分野別の受入要件、支援体制、在留資格申請、必要な届出などを確認

このように、外国人採用というのは一律の手続きではないのです。
まずは企業側では、内定前の段階で採用予定者の状況を把握し、適切な申請方法を確認してください。

外国人採用で確認すべき在留資格の種類

次に代表的な在留資格と、企業が確認すべきポイントを整理します。在留資格ごとに出来る仕事が異なるためです。

在留資格主な対象となる業務・活動採用時の注意点
技術・人文知識・国際業務ITエンジニア、設計、経理、企画、海外営業、通訳など学歴・職歴と専門業務との関係を確認
高度専門職高度な専門能力を持つ技術者、研究者、専門職などポイント制等の要件と具体的な活動内容を確認
企業内転勤海外の関連会社等から日本への期間を定めた転勤海外勤務歴、企業間の関係、仕事内容を確認
特定技能対象となる産業分野での業務分野別要件、所属機関の要件、支援体制などを確認
特定活動個別に指定された活動パスポートに添付される指定書等で就労条件を確認
留学・家族滞在原則として就労を目的としない活動資格外活動許可の有無と認められる範囲を確認
永住者・定住者・日本人の配偶者等在留資格に基づく就労活動の制限なし在留カードの有効期限や在留資格を確認

技人国ビザで認められる仕事内容とは?

技人国ビザ(技術・人文知識・国際業務)は、一般的な企業の外国人専門職採用で検討されることの多い在留資格です。

対象となり得る仕事には、次のようなものがあります。

  • システム開発・ITエンジニア
  • 機械設計・生産技術・品質管理
  • 経営企画・マーケティング
  • 経理・財務・人事に関する専門業務
  • 海外営業・海外取引業務
  • 翻訳・通訳
  • 外国語を用いた専門的な顧客対応

ただし、職種名がこうだから必ず技人国ビザが取れるというわけではない事に注意が必要です。

例えば「品質管理」という職種でも、専門知識を用いる分析・管理業務なのか、製造ラインでの単純作業が中心なのかによって評価が異なります。

大切なのは、求人票上の肩書ではなく、実際に担当する業務内容です。

特に製造業、物流業、宿泊業、小売業、飲食業などでは、専門業務と現場作業の区別が重要になります。

外国人採用の流れ|内定から入社までの7ステップ

一般的な外国人採用の流れは次のとおりです。

ステップ会社が行うこと確認ポイント
STEP 1採用予定者の在留状況を確認国籍、居住国、現在の在留資格、在留期限
STEP 2学歴・職歴と業務内容の適合性を確認卒業証明書、職務経歴書、職務記述書
STEP 3雇用条件を決定する報酬、勤務地、雇用期間、業務内容
STEP 4必要な在留手続きを判断するCOE、在留資格変更、既存資格での就労可否
STEP 5申請書類を準備・提出する企業カテゴリー、申請人資料、追加資料
STEP 6許可・入国等を確認して入社する就労可能な在留資格、許可内容、入社日
STEP 7採用後の届出・継続管理を行うハローワークへの届出、在留期限管理など

以下、それぞれのステップを詳しく確認します。

STEP 1.採用予定者の在留状況を確認する

まず、採用予定者が日本国内にいるのか、海外にいるのかを確認します。

日本国内に在留している場合には、在留カード等を確認し、少なくとも次の情報を把握します。

  • 在留資格
  • 在留期間の満了日
  • 就労制限の有無
  • 資格外活動許可の有無
  • パスポートの指定書等による活動条件(該当する場合)

なお、在留カードを所持しているという理由だけで、どのような仕事でもできるわけではありません。

STEP 2.学歴・職歴と予定業務の適合性を確認する

技人国で採用する場合、一般的には次の事項を確認します。

① 学歴
大学等で学んだ内容と、日本で従事する専門業務との関連性を確認します。
海外の大学卒業者についても、大学の卒業証明書や成績証明書などが重要な資料となります。

② 職歴
学歴による要件を満たさない場合でも、関連する実務経験等によって申請できるケースがあります。
ただし、必要な経験年数や内容は業務の種類によって異なります。

③ 仕事内容
求人票、雇用契約書、職務経歴書などを確認し、実際に行う業務を具体化します。
特に大企業では、採用部門と配属先の現場で認識が異なることがあります。

人事部が「海外営業担当」として採用した外国人が、実際には店舗での接客や倉庫業務を中心に担当していたという場合、在留資格上の問題が生じます。

採用前に人事部と配属先の双方で業務内容を確認することが望ましいでしょう。

STEP 3.雇用条件を決定する

在留資格の審査では、雇用条件も重要です。

技人国の場合、原則として日本人が同様の業務に従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬が必要になりますので、外国人であることのみを理由に著しく低い給与を設定することはできません。

また、雇用契約書や労働条件通知書では、次の項目を明確にします。

  • 雇用期間
  • 就業場所
  • 業務内容
  • 賃金
  • 労働時間
  • 休日
  • 契約更新の条件(有期雇用の場合)

外国人労働者にも、労働基準法をはじめとする日本の労働関係法令が原則として適用されます。
ですので当然ながら本人が理解できる方法で労働条件を説明してください。

STEP 4.必要な在留資格申請を判断する

外国人を雇用するときに必要となる主な在留手続きは、次の3つです。

① 在留資格認定証明書交付申請(COE申請)
海外から外国人を新たに呼び寄せる際に利用される手続きです。日本側の受入企業等が代理人として申請することができます。
COEが交付された後、通常は本人が海外の日本大使館・総領事館等で査証申請を行い、日本への入国手続きを進めます。

COEは原則として交付日から3か月以内に上陸申請を行う必要があります。そのため、申請時期だけでなく、入社日・渡航日・海外での査証申請日程を考慮することが重要です。

② 在留資格変更許可申請
現在持っている在留資格から別の在留資格へ変更する手続きです。

例えば、留学生を卒業後に技人国で採用する場合などが該当します。

単に変更申請を提出しただけでは、変更後の資格での就労が認められるわけではない為、必要な変更許可を得てから、予定する業務を開始することが原則です。

③ 就労資格証明書交付申請
すでに就労資格を持つ外国人を転職採用する際などに、予定する就労活動が認められる範囲にあるかを確認するために利用できる手続きです。

現在かなり審査期間が長くなっていますので、申請するかどうかは慎重に検討することをお勧めします。

STEP 5.必要書類を準備して申請する

企業と外国人本人の双方で書類を準備します。

ここで特に重要なのが、企業の「カテゴリー」です。上場企業等と、それ以外の企業では、入管に提出する書類が異なります。

※詳細は次の章で解説します。

STEP 6.許可内容を確認して入社する

入管から受けた許可が、実際の業務内容と相違ないことを確認します。

在留資格が不適切な状態で就労させると、外国人本人だけでなく、受入企業にも法的リスクが生じる場合があるからです。

ありがちなのは派遣会社に技人国ビザで就労したのち、派遣先での業務が在留資格に合っていないというパターンなどです。

STEP 7.採用後の届出と在留期限の管理を行う

入社が完了しても、外国人雇用に関する手続きは終わりではありません。外国人雇用状況の届出、在留期限の管理、部署異動時の業務確認など、継続的な対応が必要となります。

【大企業向け】会社の規模によって就労ビザの必要書類は変わる?

実は技人国などの在留資格の申請では、受入機関が規模などによってカテゴリー1〜4に区分されます。
そして、カテゴリーによって提出資料が異なります。

※この区分は、単純な従業員数や資本金だけで決まるものではありません。

企業カテゴリーの比較

カテゴリー主な対象企業・機関の例提出資料の特徴
カテゴリー1日本の証券取引所に上場している企業、一定の公的機関、対象となるイノベーション創出企業等所属機関のカテゴリーを証明する資料等を提出。その他の企業関係資料は原則として簡素化
カテゴリー2給与所得の源泉徴収税額が源泉徴収税額が1,000万円以上の企業、所定の条件を満たすオンライン申請利用機関等法定調書合計表等による確認が中心、カテゴリ1についでかなり簡素化されている。
カテゴリー3前年分の法定調書合計表を提出している企業等で、カテゴリー2に該当しないもの企業概要、職務内容、申請人の経歴などの資料を求められる
カテゴリー4上記のいずれにも該当しない企業等新設会社等が該当し得る。事業実態や雇用条件の説明資料が重要

※最近ではカテゴリー1・2でも、個別審査において追加資料を求められる場合が珍しくありません。

上場企業だから必ず許可されるわけではない!

カテゴリー1・2の企業は、資料の提出が簡素化される場合があります。
しかし、外国人本人の学歴・職歴や仕事内容が在留資格の要件を満たす必要がある点は変わりません。

企業規模が大きいことと、在留資格の取得が認められることは別の問題です。

また、たとえ大企業グループであっても、実際の雇用主が非上場の子会社である場合は、その子会社がどのカテゴリーに該当するかを確認する必要があります。

外国人採用に必要な書類一覧

必要書類は在留資格、申請区分、企業カテゴリー、本人の経歴によって大きく異なります。

以下は技人国を中心とした一般的な準備資料の例です。

外国人本人が準備する主な資料

書類主な目的
パスポート本人確認、渡航・国籍情報の確認
在留カード国内在留者の資格・在留期限の確認
顔写真申請書添付等
履歴書・職務経歴書学歴・職歴の確認
大学等の卒業証明書学歴要件の確認
成績証明書専攻内容と仕事内容の関連性の確認
在職証明書実務経験の立証
資格・試験の証明書必要に応じた専門能力等の証明


企業が準備する主な資料

書類主な目的
雇用契約書・労働条件通知書雇用条件や仕事内容の確認
職務記述書(Job Description)実際の業務内容の説明
会社案内・事業内容の説明資料企業の事業実態の確認
登記事項証明書法人情報の確認
法定調書合計表企業カテゴリーの確認
決算書類事業の安定性・継続性等の確認
組織図・配属先の説明資料必要に応じた業務内容・指揮命令関係の確認

詳細は入管局HPよりご確認ください。

2026年4月15日からの技人国申請資料の変更

2026年4月15日以降、所属機関がカテゴリー3・4に該当する場合、技人国の申請で追加資料が求められるようになりました。(所属機関の代表者に関する申告書、場合によって日本語能力証明等)

在留資格申請に必要な書類は目まぐるしく変わるため、常にチェックすることをお勧めします。

関連記事:2026年4月15日以降、技人国ビザで求められる日本語能力について

関連記事:技人国ビザの日本語能力証明とは?JLPT・BJT・学歴要件を解説

海外から外国人を採用する場合のスケジュール

海外にいる外国人を採用する場合、通常はCOE申請、査証申請、渡航、入社という流れになります。

入社予定日から逆算した準備例

時期の目安主な対応
入社予定日の1年~半年前在留資格の該当性確認、本人・企業書類の収集
入社予定日の半年~4か月前COE申請、追加資料への対応
COE交付後在外公館での査証申請、渡航準備
入国時上陸許可、在留資格の確認
入社時雇用手続き、社内登録、必要な届出

現在実務上かかる期間でスケジュールを立ててみましたが、個別の案件でかなり審査期間は異なる印象があります。(大企業、高度専門職人材の場合は1か月かからないこともあり、小規模な会社だと半年以上かかるなど)

また、COEの交付後には海外での査証申請が必要となります(大体2週間くらい)。これも計算に入れておいてください。

企業としては、許可が遅れる可能性も考慮し、採用スケジュールに一定の余裕を持たせることをおすすめします。

外国人留学生を新卒採用する場合の注意点

日本国内の大学・大学院・専門学校等に在籍する外国人留学生を採用する場合、一般的に「留学」から就労可能な在留資格への変更を検討します。

特に4月入社を予定している場合は、卒業前から書類準備を進めることが重要です。

注意すべき点は次のとおりです。

  • 学校での専攻と採用予定業務の関連性
  • 卒業見込み・卒業の確認
  • 予定する在留資格の要件
  • 入社日までの在留資格変更許可
  • 在学中の資格外活動と卒業後の就労の区別

企業が内定を出しただけで、留学生が自動的に正社員として就労できるわけではありません。

就労開始までに適切な在留資格を取得できるかどうか、採用担当者が早期に確認する必要があります。

関連記事:留学生を新卒採用するには?

外国人の中途採用では、就労ビザの変更が必要?

次に、技人国などの就労資格で日本に滞在している外国人を中途採用する場合ですが、この場合転職のたびに必ず在留資格変更許可申請が必要になるわけではありません。

例えば、技人国の在留資格でITエンジニアとして勤務していた外国人が、別の企業で引き続き技人国に該当するITエンジニア業務を行う場合、一般的には在留資格を変更せずに転職できます。

ただし、高度専門職1号など、転職前に在留資格変更が必要となるものもあります。

中途採用時のチェック項目

  • 現在の在留資格と在留期限
  • 転職前の業務内容
  • 転職後の業務内容
  • 採用予定者の学歴・実務経験
  • 必要な在留資格変更手続きの有無
  • 就労資格証明書取得の必要性
  • 所属機関に関する届出の要否と期限

技人国ビザを持つ外国人本人は、契約機関との契約終了や新たな契約締結について、原則14日以内に入管へ届出を行う必要があります。会社としては、この届出の周知を必ずしてください。

参考:出入国在留管理庁|所属(契約)機関に関する届出

外国人を採用した後に企業が必要な届出

外国人労働者を雇用する事業主には、原則として外国人雇用状況の届出義務があります。

対象となる外国人労働者を雇い入れた場合や離職した場合に、ハローワークへ届け出る制度です。
なお、特別永住者および在留資格「外交」「公用」の外国人は対象外です。

外国人雇用状況届出の期限

区分雇入れ時離職時
雇用保険の被保険者となる外国人雇い入れた月の翌月10日まで離職日の翌日から10日以内
雇用保険の被保険者とならない外国人雇い入れた月の翌月末日まで離職した月の翌月末日まで

雇用保険の被保険者となる場合は、資格取得届・資格喪失届によって外国人雇用状況の届出を行います。
届出を怠った場合や虚偽の届出をした場合、30万円以下の罰金の対象となることがあります。

参考:厚生労働省|外国人雇用状況の届出について

入社後は在留期限の管理も重要

外国人社員を継続して雇用する企業では、在留期限の管理が重要になります。
例えば、外国人社員が100人在籍している場合、それぞれの在留期限や職務内容を人事部門で把握する必要があります。

管理項目としては、次のようなものが考えられます。

  • 社員番号・氏名
  • 在留資格
  • 在留期限
  • 現在の所属部署
  • 実際の業務内容
  • 更新手続きの担当者
  • 更新申請の進捗状況
  • 申請結果と新たな在留期限
  • 会社住所、会社名が変わった際の届け出について、各々でするように周知

在留期間更新許可申請は、在留期間が6か月以上の場合、原則として満了日の3か月前から行うことができますが、更新申請の準備を始める社内期限は、法定の申請受付期間とは別に、余裕を持って設定するとよいでしょう。

【2026年10月改定】外国人の在留資格変更・更新にかかる手数料

2026年10月1日から、在留資格変更許可および在留期間更新許可に係る手数料(入管へ払う手数料)が改定されました。

従来とは異なり、許可される在留期間によって手数料額が変わります。

2026年10月1日以降の申請に適用される主な手数料

許可される在留期間窓口申請オンライン申請(決済手数料込み)
1年33,000円27,330円
3年64,000円56,550円
5年75,000円65,550円

※在留資格変更許可・在留期間更新許可の主な区分を抜粋しています。

※在留資格認定証明書交付申請(COE申請)には、入管の申請手数料はかかりません。

2026年10月1日以降のオンライン申請では、手数料の納付方法も変更され、コンビニ決済または銀行決済となっています。外国人社員が多数在籍する企業で、企業が更新費用を負担する場合には、更新にかかる公的手数料も年間予算に反映させておく必要があります。

参考:出入国在留管理庁|2026年10月1日付け在留許可手数料の改定

大企業が外国人雇用で注意すべき5つのリスク

ここでは、大企業にありがちな在留資格管理におけるミスを紹介します。

① 採用後に仕事内容が変わる

採用時には専門職として入社した外国人社員が、配置転換により別の業務を担当することになる場合があります。業務内容が在留資格の範囲を外れる可能性があるため、これは必ず人事異動前に確認してください。

② 採用部門と現場の仕事内容が異なる

人事部が作成した職務記述書と、実際の業務内容に相違がある場合、在留資格の審査や更新に影響することがあります。

③ 派遣先・客先常駐での業務内容を把握していない

派遣形態で外国人を雇用する場合は、派遣元の雇用契約だけでなく、派遣先での実際の活動内容も重要です。技人国については派遣形態の就労に関する提出資料や運用上の取扱いが定められています。

④ 在留期限を把握していない

在留期限を確認せずに勤務を継続させることは、大きなコンプライアンス上のリスクとなります。更新申請中の特例期間等も含め、適法に在留・就労できる状態か確認する必要があります。

⑤ 複数拠点で外国人雇用の管理方法が異なる

全国に支店・営業所・工場などがある企業では、拠点ごとに在留資格確認や届出の運用が異なる場合があります。本社人事部が統一的なチェック方法を定めることで、確認漏れや手続きの遅延を防ぎやすくなります。

外国人採用チェックリスト【企業人事・法務部向け】

採用時の社内確認にご利用ください。

採用・選考段階

  • 採用予定者の現在の居住国・在留状況を確認した
  • 在留資格と在留期限を確認した
  • 採用予定業務が在留資格の範囲内か確認した
  • 学歴・職歴・資格と業務内容の関係を確認した
  • 配属予定部門と仕事内容を共有した
  • 雇用形態・報酬・勤務地等を確認した

内定・申請準備段階

  • COE申請・変更申請等の必要性を判断した
  • 企業カテゴリーを確認した
  • 本人側の必要書類を収集した
  • 企業側の必要書類を収集した
  • 必要に応じて職務内容の説明資料を作成した
  • 入社予定日と申請スケジュールを調整した

入社直前・入社時

  • 適切な在留資格・許可内容を確認した
  • 在留カード等の必要な確認を行った
  • 労働条件の説明を行った
  • 雇用保険・社会保険等の該当手続きを確認した
  • 外国人雇用状況の届出期限を確認した

入社後

  • 外国人雇用状況の届出を行った
  • 本人の所属機関に関する届出等が行われているかを確認した
  • 在留期限を社内管理台帳等に登録した
  • 更新手続きの担当者を決めた
  • 配置転換時の在留資格確認フローを整備した
  • 法改正・制度変更を把握する担当部署を決めた

外国人採用についてよくある質問(FAQ)

Q1.外国人を採用する場合、必ず就労ビザを取得する必要がありますか?

いいえ。永住者、定住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等など、在留資格に基づく就労活動の制限がない方は、通常、別途就労ビザを取得する必要はありません。

ただし、在留資格や在留カード等の確認は必要です。

Q2.外国人社員を正社員として採用すれば、就労ビザは取得できますか?

正社員であることだけを理由に在留資格が認められるわけではありません。

業務内容、学歴・職歴、報酬、所属機関などの要件を満たす必要があります。

契約社員でも取得できるケースがあるため、雇用形態のみで判断することは適切ではありません。

Q3.上場企業であれば、就労ビザの申請書類は不要ですか?

いいえ。

カテゴリー1の企業では一部の資料が原則として省略されますが、申請書やカテゴリーを証明する資料などが必要です。

また、入管から追加資料を求められる場合があります。

Q4.日本で働いている外国人を転職採用する場合、ビザ変更は必要ですか?

現在の在留資格と転職先の仕事内容によります。

技人国の範囲に含まれる業務を引き続き行う場合など、在留資格変更が不要なケースがあります。

一方で、在留資格が異なる活動を行う場合や高度専門職1号の勤務先変更などでは、変更手続きが必要になります。

Q5.外国人社員の在留資格更新は会社が行うものですか?

在留期間更新許可申請は外国人本人の手続きです。

ただし、企業が必要書類を準備すること、自社社員の在留資格申請をすること、適切な資格を持つ申請等取次者を通じて手続きを行うことは可能です。

外国人社員が多数在籍する企業では、申請に関する役割分担を明確にすることが望ましいでしょう。

Q6.外国人の採用後、ハローワークへの届出は必要ですか?

対象となる外国人労働者を雇い入れた場合、外国人雇用状況の届出が必要です。雇用保険の被保険者となるかどうかで届出方法や期限が異なります。

Q7.外国人を採用する際、日本語能力試験N2は必須ですか?

一律に必須ではありません。

ただし、2026年4月15日以降、技人国の一部申請では、主に言語能力を用いた対人業務等について、CEFR B2相当の言語能力を証明する資料が求められています。法律が厳格化することもありうるため、まずは取得をお勧めします。

Q8.外国人社員を営業部から工場へ異動させても問題ありませんか?

異動後の具体的な仕事内容によります。

専門的な生産管理・技術管理などであれば在留資格に該当する可能性がありますが、単純な製造作業が中心になる場合は注意が必要です。

異動先の業務内容を確認した上で、在留資格との適合性を判断する必要があります。

Q9.海外から外国人を採用する場合、入社まで何か月かかりますか?

在留資格、申請内容、入管の審査状況、査証申請先の在外公館等によって異なります。そのため、一律の期間を保証することはできません。

企業では、採用内定前後から必要書類の確認を始め、余裕のある入社スケジュールを設定することが望ましいでしょう。

Q10.外国人の在留資格申請を行政書士にまとめて依頼することはできますか?

はい。

行政書士は、法令上認められる範囲で申請書類の作成を行い、申請取次の届出を行っている行政書士であれば、本人の依頼に基づき在留申請の取次ぎにも対応できます。

企業側の書類準備や、申請スケジュールの整理、在留資格に関する相談なども、業務範囲に応じて支援を受けることができます。

まとめ|外国人採用では、入社前の確認と採用後の管理が重要

外国人を採用する際には、一般的な採用手続きだけでなく、在留資格や実際の仕事内容に応じた確認が必要です。

特に企業の人事・法務担当者は、次の5点を押さえておきましょう。

  1. 内定前に、予定業務と在留資格の適合性を確認する
  2. 海外採用・国内転職・留学生採用で申請方法を区別する
  3. 所属機関のカテゴリーに応じて必要書類を準備する
  4. 採用後の外国人雇用状況の届出を忘れない
  5. 在留期限・部署異動・業務内容を継続的に管理する

外国人雇用・在留資格申請に関する法人様からのご相談

とりかに国際行政書士法人では、外国人雇用に伴う在留資格申請・書類作成・申請取次等のサポートを行っています。

新規採用だけでなく、外国人社員の転職、在留資格更新、職務内容の変更、海外からの招聘など、企業の採用・人事担当者からのご相談にも対応しています。

また、複数の外国人社員を雇用する企業様向けに、在留資格の確認や申請手続きに関する継続的なサポートもご案内しています。

このような企業様は、ぜひ一度ご相談ください。

  • 外国人社員の採用を新たに始めたい
  • 海外拠点から外国人社員を日本へ異動させたい
  • 複数社員の在留資格申請・更新をまとめて依頼したい
  • 配置転換による在留資格上の問題を事前に確認したい
  • 人事部の在留資格管理業務を見直したい
  • 外国人雇用に関する継続的な相談先を探している

企業規模・採用予定人数・ご相談内容に応じて、対応方法をご案内いたします。

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全国からオンラインでのご相談にも対応しています。


関連記事

参考資料・公式情報

※本記事は2026年10月21日時点の公表情報に基づく一般的な解説です。実際に必要となる手続きや書類、就労の可否は個別の事情によって異なります。


宍戸

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