
こんにちは、宍戸です。
高度専門職2号は、高度外国人材として日本で一定期間活動した方を対象とする在留資格です。
在留期間が無期限となるだけでなく、就労できる活動の範囲が高度専門職1号より広がり、条件を満たせば親や家事使用人の帯同に関する優遇措置も引き続き利用できます。
ただし、「在留期間が無期限」という点では永住者と似ているものの、就労活動を前提とする在留資格であるということには注意する必要があります。本記事では、2026年8月時点の制度を前提に、高度専門職2号の取得要件、メリット、注意点、永住との違いを解説します。
在留資格「高度専門職2号」とは
高度専門職には、1号と2号があります。
高度専門職1号は、学歴、職歴、年収、年齢、研究実績、日本語能力などを点数化し、原則として合計70点以上を取得した高度外国人材に認められる在留資格です。在留期間は一律5年ですが、転職などによって指定された所属機関や活動内容が変わる場合には、原則として在留資格変更許可申請が必要になります。
一方、高度専門職2号は、高度専門職1号などで一定期間活動した方が申請できる、次の段階の在留資格です。主な特徴は以下の2点です。
- 在留期間が無期限になる
- 高度専門職1号の活動と併せて、ほぼすべての就労資格に該当する活動ができる
- 転職の際には「在留資格変更許可申請」ではなく「所属機関等に関する届け出」を出せばよい。
高度専門職2号で認められる活動
高度専門職2号では、高度専門職1号に該当する活動に加え、その活動と併せて、ほぼすべての就労資格に該当する活動を行うことができます。
たとえば、大学や研究機関で研究しながら企業を経営するなど、複数の在留資格にまたがる活動が認められます。
もっとも、高度専門職2号は無制限にどのような仕事でもできる資格ではありません。「永住者」「日本人の配偶者等」などの身分系在留資格とは異なり、単純労働を含めたあらゆる仕事を自由に選べるわけではない点に注意が必要です。
高度専門職2号の主な取得要件
高度専門職2号への変更許可を受けるには、主に次の要件を満たす必要があります。
高度専門職2号に該当する活動を行うこと
申請後に予定している仕事が、入管法上の高度専門職2号の活動に該当していなければなりません。
形式上の役職や肩書だけではなく、勤務先の事業内容、本人の担当業務、報酬、これまでの経歴などから総合的に判断されます。
高度人材ポイントが70点以上あること
高度専門職2号を申請する時点でも、原則として高度人材ポイントが70点以上必要です。
高度専門職1号を取得した時点で70点以上あったとしても、それだけで2号への変更が認められるわけではありません。年齢、年収、職歴などが変わっている場合は、申請時点の状況に基づいて再計算する必要があります。
なお、高度専門・技術活動(ロに当たるもの)または高度経営・管理活動(ハに当たるもの)については、ポイントの合計が70点以上でも、原則として年収が300万円未満の場合は対象になりません。
高度外国人材として3年以上活動していること
原則として、「高度専門職1号」または高度外国人材としての「特定活動」の在留資格をもって、日本で3年以上在留し、その資格に該当する活動を行っている必要があります。
単に高度専門職1号を取得してから3年が経過していればよいわけではなく、実際に高度外国人材としての活動を継続していたことが求められます。
なお、J-Skipの基準を満たす「特別高度人材」については、高度専門職1号として1年以上活動することで、高度専門職2号の対象となる制度があります。通常のポイント制による高度専門職1号とは必要期間が異なるため、区別して確認しなければなりません。
素行が善良であること
犯罪歴だけでなく、税金や社会保険料の納付状況、入管法上の届出義務を守っているかなど、これまでの在留状況も審査の対象となります。
交通違反、税金の滞納、年金・健康保険料の未納、所属機関に関する届出の遅れなどがある場合には、その内容や回数、改善状況を確認したうえで申請を検討する必要があります。
日本の利益に合すると認められること
申請人の在留が日本の利益に合すると認められ、予定する活動が日本の産業や国民生活に与える影響などの観点から相当であることも必要です。
したがって、70点以上を確保し、活動期間の要件を満たしているだけで、必ず許可されるわけではありません。
高度専門職2号のメリット
在留期間の更新が不要になる
高度専門職2号の在留期間は無期限です。そのため、高度専門職1号のように在留期間の更新許可申請を繰り返す必要がありません。
ただし、在留カードの有効期間更新は必要です。また、所属機関の変更などに関する届出義務もなくなりません。
活動できる範囲が広がる
高度専門職1号では、許可を受けた所属機関と活動内容が在留資格に強く結びついています。
これに対し、高度専門職2号では、中心となる高度専門職の活動を継続しながら、ほぼすべての就労資格に該当する活動を行うことができます。複数の事業や専門職に携わる方にとって、大きなメリットになります。
転職時の手続きが軽減される
高度専門職1号の場合、転職によって所属機関が変わると、原則として在留資格変更許可申請が必要です。
高度専門職2号では、転職するたびに在留資格変更許可申請を行う必要はありません。ただし、転職後の仕事も高度専門職2号に認められた活動の範囲内でなければならず、所属機関に関する届出も必要です。
家族に関する優遇措置を利用できる
高度専門職2号でも、一定の条件を満たすことにより、次の優遇措置を利用できます。
- 配偶者が「教育」「研究」「技術・人文知識・国際業務」などに該当する就労活動を行える
- 子育てや妊娠中の支援を目的として、親を呼び寄せられる
- 一定の要件のもとで家事使用人を帯同できる
- 入国・在留手続きの優先処理を受けられる
親や家事使用人の帯同には、世帯年収、子どもの年齢、同居などに関する個別の条件があります。高度専門職2号を取得すれば無条件で呼び寄せられるわけではありません。
高度専門職2号の申請に必要な書類
申請人の活動内容や勤務先の区分によって異なりますが、基本的な書類は次のとおりです。
- 在留資格変更許可申請書
- 顔写真
- パスポートおよび在留カード
- 予定する活動に対応した所属機関関係書類
- 高度人材ポイント計算表
- 学歴、職歴、年収、資格、研究実績など、ポイントを証明する資料
- 所得および納税状況を証明する資料
- 年金・健康保険料の納付状況を証明する資料
- その他、申請人の活動内容や在留状況を説明する資料
ポイントに関する資料は、必ずしも該当する全項目について提出する必要はなく、原則として70点以上あることを証明できる範囲で提出します。ただし、申請内容によっては、入管から追加資料を求められることがあります。
税金や社会保険に関する資料の対象期間には、ポイント数や高度外国人材としての在留期間などによる違いがあります。古いサイトに掲載された書類一覧をそのまま使用せず、申請時点の出入国在留管理庁の案内を確認することが重要です。
高度専門職2号と永住者の違い
高度専門職2号と永住者は、どちらも在留期間の更新を必要としません。しかし、その法的な性質は大きく異なります。
| 比較項目 | 高度専門職2号 | 永住者 |
|---|---|---|
| 在留期間 | 無期限 | 無期限 |
| 就労制限 | 高度専門職2号の範囲内 | 原則として制限なし |
| 専門的活動の継続 | 必要 | 不要 |
| 転職時の変更申請 | 原則不要。ただし届出は必要 | 不要 |
| 親の帯同に関する優遇 | 条件付きで利用可能 | 高度人材向けの優遇なし |
| 家事使用人の帯同 | 条件付きで可能 | 高度人材向けの優遇なし |
| 在留資格取消しのリスク | 本来の活動を行わない状態が続く場合はあり得る | 就労していないことを理由とする取消しはない |
| 帰化・参政権 | 取得しない | 取得しない |
永住者には職種の制限がなく、退職後にしばらく働かない場合でも、それだけを理由に在留資格を失うことはありません。
一方、高度専門職2号は就労資格です。正当な理由なく高度専門職としての活動を継続しない場合、在留資格取消しの対象となる可能性があります。したがって、「高度専門職2号を取得すれば、働かなくても日本に住み続けられる」という理解は正確ではありません。
高度専門職2号と永住はどちらを選ぶべきか
専門的な仕事を今後も継続し、親または家事使用人の帯同に関する優遇措置を利用したい方には、高度専門職2号が適している可能性があります。
一方、将来的な休職や退職、専門分野以外への転職、独立なども含めて活動の自由度を重視する場合は、永住許可の方が有利です。住宅ローンなどの民間取引では、金融機関によって永住者であることを条件とされる場合がある点も、選択材料の一つになります。
なお、高度人材ポイントが70点以上ある方は3年以上、80点以上ある方は1年以上、その点数を満たして高度外国人材として在留している場合、永住許可の在留期間要件が緩和される制度があります。
ただし、永住許可では、在留期間だけでなく、素行、独立生計、納税、公的年金・公的医療保険料の納付状況なども審査されます。ポイントと在留年数を満たしただけで許可されるものではありません。
まとめ
高度専門職2号は、高度外国人材としての活動を継続する方にとって、在留期間が無期限になり、活動範囲も広がるメリットの大きい在留資格です。
一方で、永住者とは異なり、専門的な就労活動を継続することが前提です。取得後に働かなくてもよい資格ではなく、就労できる仕事にも一定の範囲があります。
申請を検討するときは、次の点を個別に確認する必要があります。
- 高度外国人材として必要な活動期間を満たしているか
- 申請時点でも70点以上を確保できるか
- 現在および転職後の業務が高度専門職2号に該当するか
- 税金、年金、健康保険料を適切に納付しているか
- 高度専門職2号と永住のどちらが将来設計に合っているか
高度専門職2号と永住では、取得後に認められる活動や家族に関する優遇措置が異なります。現在の点数だけで決めるのではなく、今後の働き方や家族構成も踏まえて選択することが重要です。

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