外国人社員を多数雇用する企業にとって、在留資格や更新期限の管理は重要な業務の一つです。
「外国人社員が増え、在留期限の把握が難しくなっている」
「各部署に管理を任せているが、更新漏れが心配」
「在留資格の更新は本人に任せているが、会社として何を確認すべきか分からない」
このような悩みを抱える企業もあるのではないでしょうか。
外国人社員の在留資格管理では、在留期限だけでなく、申請状況や仕事内容も含めて把握することが重要です。
本記事では、50人・100人規模の外国人社員を雇用する企業を想定し、在留資格の一元管理方法、更新スケジュール、企業と本人の役割分担について解説します。
外国人社員の在留資格管理で確認すべき3つのこと
外国人社員の管理では、次の3点を確認することが重要です。
| 管理項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 在留資格 | 現在の仕事内容が認められた活動の範囲内か |
| 在留期限 | いつまで在留でき、いつ更新が必要か |
| 申請状況 | 更新準備中・申請中・許可済みなどの進捗 |
例えば、「技術・人文知識・国際業務(技人国)」で在留する外国人社員の場合、在留期限が残っていても、実際の仕事内容が在留資格で認められた活動の範囲外であれば問題となる可能性があります。
また、「永住者」や「高度専門職2号」は在留期間の更新が不要ですが、在留カード自体には有効期限があるため、在留期間の満了日と在留カードの有効期限を区別して管理することも重要です。
管理台帳にはどのような情報を記録する?
外国人社員を複数雇用する企業では、Excelや人事管理システムなどを活用し、在留資格に関する情報を一元管理する方法が考えられます。
管理台帳には、以下のような項目を設定すると便利です。
| 項目 | 管理する内容 |
|---|---|
| 社員番号・氏名 | 対象社員の識別 |
| 在留資格 | 技人国、高度専門職、永住者など |
| 在留期限 | 在留期間の満了日 |
| カード有効期限 | 在留カード自体の有効期限 |
| 所属部署・仕事内容 | 現在の就労状況 |
| 更新申請状況 | 未着手・準備中・申請中・許可済み |
| 社内担当者 | 更新状況を確認する担当者 |
| その他所属機関に関する届け出の状況 | 周知が必要なものがあるかどうか |
管理台帳を作成すること自体が、すべての企業に一律に義務付けられているわけではありません。
しかし、複数の外国人社員を雇用する場合には、更新漏れを防止するためにはこのような管理は必須になるかと思います。なお、在留カード情報は個人情報に該当するため、取得目的を明確にし、必要な範囲で管理してください。
更新期限は何か月前から管理すべき?
在留期間更新許可申請は、6か月以上の在留期間がある場合、原則として満了日の3か月前から可能です。
※出入国在留管理庁は、在留期限内の許可を希望する場合、原則として満了日の3か月前から45日前までに申請するよう努めることを案内しています。
企業としては、申請が可能になる前から必要書類を確認しておくとよいでしょう。
推奨する更新管理スケジュール
| 時期 | 企業側の対応 |
|---|---|
| 6か月前 | 更新対象社員を抽出し、本人と所属部署に連絡 |
| 4か月前 | 仕事内容、雇用条件、必要書類を確認 |
| 3か月前 | 更新申請が可能になり次第、申請手続きを進める |
| 45日前まで | 申請の受付状況を確認 |
| 許可後 | 新しい在留カード等を確認して台帳を更新 |
※上記は企業の管理方法として推奨する一例です。6か月前・4か月前などの確認時期は法定の期限ではありません。
特に外国人社員が多数在籍する企業では、本人が書類を提出していない、所属部署が必要書類を準備していない、といった状況を早期に把握することが重要です。
50人・100人規模の企業に適した管理方法
外国人社員が増えるほど、担当者個人の判断に依存しない管理体制が重要になります。
外国人社員50人規模の場合
外国人社員が50人程度であれば、Excel等を利用した管理も選択肢になります。
例えば、次のような運用が考えられます。
- 本社人事部が在留資格管理台帳を保有する
- 毎月、更新期限が近い社員を確認する
- 本人に申請状況を確認する
- 許可後、新しい在留期限を登録する
担当者が変わっても管理を継続できるよう、確認手順を文書化しておくとよいでしょう。
外国人社員100人以上・複数拠点の企業の場合
外国人社員が100人以上いる場合や、全国に複数の事業所を持つ企業では、本社と各拠点の役割分担を明確にすることが重要です。
| 担当部署等 | 主な役割 |
|---|---|
| 本社人事部 | 在留資格・期限の一元管理、更新状況の確認 |
| 各拠点・所属部署 | 配置転換、仕事内容の変更等を報告 |
| 外国人社員本人 | 更新申請への対応、本人に義務付けられた届出 |
| 外部専門家 | 在留資格に関する助言、申請書類作成・申請取次等 |
また、更新申請中の社員数、未申請の社員数、期限が近い社員数などを毎月確認する仕組みを設けると、対応漏れを把握しやすくなります。
更新申請や届出は、本人と企業のどちらが行う?
外国人雇用では、本人が行う手続きと企業が行う手続きを区別する必要があります。
| 手続き | 原則的な義務者・申請者 |
|---|---|
| 在留期間更新許可申請 | 外国人本人 |
| 所属(契約)機関に関する届出 | 対象となる外国人本人 |
| 外国人雇用状況の届出(ハローワークへの届出) | 企業(事業主) |
| 社内の在留期限管理 | 企業が定める担当者 |
2番目の技人国の外国人社員が転職した場合、「所属(契約)機関に関する届出」は、原則として外国人本人が14日以内に行う必要があります。
一方、3番目の外国人雇用状況の届出は企業側の義務です。
企業は本人の手続きをすべて代わりに行う必要はありませんが、適切に就労できる状態を確認するため、申請の進捗を把握することが望ましいでしょう。
更新申請中に在留期限が切れた場合は?
在留期間更新許可申請を在留期限内に行い、期限までに審査結果が出なかった場合、一定の条件を満たせば「特例期間」が適用されます。
この場合、原則として次のいずれか早い時点まで、従前の在留資格で在留し、認められた活動を継続できます。
- 申請に対する処分がされる時
- 従来の在留期限から2か月が経過する日が終了する時
ただし、すべての申請に特例期間が適用されるわけではありません。
企業側は、本人が実際に更新申請を行ったか、申請が受け付けられているか、特例期間の対象となるかを確認する必要があります。
オンライン申請の場合は在留カード裏面に申請中の記載が行われないため、受付完了メール等による確認も重要です。
まとめ|在留資格管理は一元化と役割分担が重要
外国人社員の在留資格管理では、更新期限を記録するだけでなく、申請状況や仕事内容も把握することが重要です。
特に複数の外国人社員を雇用する企業では、次の4点を意識しましょう。
- 在留資格・在留期限・カード有効期限を区別する
- 管理台帳を一元化し、社内の担当者を明確にする
- 更新申請に十分な余裕を持って準備する
- 本人と企業それぞれの手続きを区別する
外国人雇用に関する管理体制を整えることは、更新漏れの防止だけでなく、人事部門の業務効率化にもつながります。
外国人社員の在留資格管理について、企業様からのご相談を承っています
とりかに国際行政書士法人では、外国人を雇用する企業様向けに、在留資格に関する相談や申請書類の作成、申請取次等のサポートを行っています。
外国人社員の在留資格・更新期限管理についても、企業規模や管理体制に応じてご相談いただけます。
また、企業向け顧問サービスでは、在留期限管理表のフォーマット提供や、更新・変更手続きに関する書類レビュー等のサポートをご案内しています。
全国からオンラインでのご相談にも対応しています。
参考資料
- 出入国在留管理庁|在留期間更新許可申請
- 出入国在留管理庁|在留期間内での変更又は更新許可を希望する場合について
- 出入国在留管理庁|特例期間とは?
- 出入国在留管理庁|新様式の在留カード等
- 出入国在留管理庁|所属(契約)機関に関する届出
- 厚生労働省|外国人雇用状況の届出

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