「学歴があるのに不許可だった」「内定があるのになぜ許可されないのか」技人国ビザが不許可なる理由は多岐にわたります。公式に公表されている事例を見ると、あなたの不許可理由がわかるかもしれません。

会社に実体がなく、継続性を説明できない

技人国は、日本の機関との継続的な契約に基づく活動であることが必要です。事務所の実態が不明確であったり、事業内容と採用計画が結び付かなかったりする場合は、会社で本当に専門業務を行うのか疑問視されます。

公式事例では、会計事務に従事するとして申請したものの、会社所在地には会計事務所ではなく料理店があり、十分な説明ができなかったため不許可となった例があります。

対策: 登記事項、会社案内、事務所の状況、決算書、取引資料、採用理由、組織図を整え、会社の事業と本人の仕事が自然につながるように説明しましょう。派遣を行っている会社である場合は、派遣先の事業内容なども把握しておく必要があります。

実際の仕事が単純作業・現場作業である

大学を卒業していても、仕事そのものが専門知識を要しない場合は許可されません。弁当加工工場での箱詰め作業のように、専門性を必要としない作業を主に行う計画は、技人国の対象外です。

対策: 職務内容書には、「事務全般」「現場対応」などの曖昧な表現を避けましょう。担当する企画、分析、設計、交渉、翻訳、顧客対応、使用言語、判断の内容を具体的に記載し、非専門業務が付随的な範囲であることも必要に応じて説明します。大前提として、技人国で現場業務はNGです。

学歴・履修内容と予定業務の関連性が弱い

特に日本の専門学校卒業者は、専攻と予定業務の相当程度の関連性が重要です。たとえば、通訳・翻訳を学んだ方が、実際には清掃会社で清掃業務を行う計画であれば、学校で学んだ内容を生かす専門業務とは認められにくいでしょう。

対策: 卒業証明書だけでなく、成績証明書や履修科目を準備し、どの科目が予定業務に役立つのかを説明します。転職の場合は、前職の職務内容も具体的に示しましょう。

給与が日本人と同等額以上ではない

報酬が日本人と同等額以上であることも明確な要件です。公式事例には、外国人が月額13万5,000円、日本人の新卒社員が月額18万円であったため、不許可となった例があります。

対策: 雇用契約書の給与だけで判断せず、同種業務に従事する日本人社員の給与水準、賃金規程、求人票などを確認してください。住宅手当や通勤手当の扱いも含め、実際の報酬が適正かを事前に確認することが大切です。

留学中の資格外活動や在留状況に問題がある

留学生が週28時間を恒常的に超えてアルバイトをしていた場合、在留状況が良好ではないとして不許可となる可能性があります。実際に、月200時間以上のアルバイトを1年以上継続していたことが判明し、不許可となった事例があります。

対策: 申請前に給与明細、シフト、出勤記録を確認し、資格外活動の状況を正確に把握しましょう。問題がある場合は、隠すのではなく、経緯と今後の改善策を整理した上で専門家へ相談することをおすすめします。

最後に:書類の「整合性」が最も大切です

技人国の審査では、雇用契約書、職務内容書、履歴書、卒業証明書、成績証明書、会社資料などが相互に矛盾なくつながっているかが重要です。

たとえば、求人票では「海外営業」、雇用契約書では「事務」、実際の説明では「店舗販売」が中心という状態では、専門業務の実態を疑われます。反対に、学歴・経歴・担当業務・会社の事業・給与が一貫して説明できれば、審査官にも採用の必要性が伝わりやすくなります。

内定後、在留期限が近づいてから資料を集め始めるのではなく、採用が決まった段階で職務内容と会社資料を確認することが大切です。少しでも不安がある場合は、申請前に個別の状況を確認しましょう。


出典: 出入国在留管理庁「『技術・人文知識・国際業務』の在留資格の明確化等について」(最終改定:令和8年4月)

宍戸

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