「外国語対応ができるから、ホテルや販売店で技人国ビザを取得できますか」。この質問に対しては、単純に「はい」とは答えられません。
通訳・翻訳や、言語能力を用いる対人業務は技人国の対象となり得ます。しかし、単に外国語を話せること、外国人のお客様が多いことだけでは技人国ビザ取得の条件としては不十分です。
仕事の中心が専門的な通訳・案内・広報・海外対応等であることと、その言語能力を客観的に説明できることが必要です。
「通訳、翻訳ができる」だけでは足りない
技人国ビザの分類で言う「国際業務」として認められるためには、外国の社会・歴史・伝統の中で培われた思考や感受性を基にした、一定水準以上の専門性が求められます。
たとえば、海外取引先との交渉や契約書類の翻訳、外国人観光客への専門的な案内、外国語による広報、外国語を使った商品企画・マーケティングなどは、内容によって対象となります。
一方、店頭での通常の販売やレジ対応が中心で、必要に応じて外国語を使う程度では、技人国に該当しない可能性があります。
言語を使う「対人業務」では、相手と役割が大切
通訳・翻訳業務等については、主に次のような業務が想定されています。
- 外国人顧客や海外取引先との折衝・説明・案内
- 通訳・翻訳、語学指導
- 外国語による問い合わせ対応
- 外国人向けの広報、販促、商品説明
重要なのは、外国人顧客等に対し、相手の文化や言語を踏まえた専門的な対応を担うことです。日本人従業員の補助として短時間通訳をするだけではなく、担当する顧客層、使用言語、対応する内容、業務全体に占める割合を職務内容書に明記しましょう。
日本語能力は、原則としてCEFR B2相当が目安
言語能力を用いる対人業務では、原則としてCEFRのB2相当以上の言語能力が求められます。日本語については、たとえば次の事情により能力を示すことができます。
- JLPT N2以上
- BJTビジネス日本語能力テスト400点以上
- 中長期在留者として日本に20年以上在留
- 日本の大学を卒業、または一定の専門学校課程等を修了(業務との関連性が必要)
- 日本の義務教育を修了し、高校を卒業
カテゴリー3・4の会社では、申請時に言語能力を示す資料の提出が必要とされています。カテゴリー1・2の会社でも、審査の過程で資料の提出を求められる可能性があります。
日本語以外の言語は、母国語・公用語またはB2相当の証明を確認
英語、中国語、ベトナム語など、日本語以外の言語については、次のいずれかにより能力を示します。
- その言語が本人の母国語または公用語であること
- 当該言語の試験でCEFR B2以上の能力が証明されていること
- 上記以外の場合、留学経験など、業務に必要な語学力を合理的に評価できる事情があること
母国語ではない言語を使う仕事の場合は、卒業証明書、語学試験の成績、留学歴など、客観的な資料を早めに確認しましょう。
ホテル勤務の具体例
ホテル・旅館では、外国語によるフロント業務、外国人客への案内、海外旅行会社との交渉、外国語版ホームページの作成、宿泊プランの企画などは、学歴・経歴・職務内容との関係で技人国に該当する可能性があります。
しかし、ベッドメイク、配膳、荷物運搬などが主な活動になると、問題になります。
…実際、ベッドメイク、配膳、荷物運搬というのはホテル業務の中で人手が足りていない部分になるのですが。
これらを一時的に行うことが直ちに違反となるわけではありませんが、結果として専門業務よりも非専門業務が中心になっていれば、更新が不許可となる可能性があります。
語学力は大きな強みです。ただし、技人国の申請では「何語を話せるか」だけでなく、「その語学力を使って、誰に、どのような専門業務を担当するか」を明確にすることが不可欠です。

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