「子どもが18歳になったら、家族滞在ビザは更新できなくなる?」
「20歳を過ぎても親の扶養を受けている場合、日本に住み続けられる?」
「大学に進学したら、家族滞在から留学ビザに変更する必要がある?」
日本で暮らす外国人のご家庭から、このようなご相談をいただくことがあります。
特に、高校卒業や大学進学を迎える子どもがいる場合、在留資格をいつ変更すべきなのか、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
結論から申し上げると、「家族滞在」には18歳や20歳といった一律の年齢制限はありません。
そのため、18歳や20歳を過ぎた子どもでも、親の扶養を受けて生活している場合には、引き続き「家族滞在」の在留資格を更新できる可能性があります。
ただし、成人後は就職や経済的な自立が可能になるため、実際に親の扶養を受けているかどうかが重要になります。
家族滞在ビザに18歳・20歳の年齢制限はある?
まず確認したいのは、家族滞在という在留資格の基本的な仕組みです。
家族滞在は、日本で一定の在留資格を持って生活する外国人の扶養を受ける配偶者や子どもが、日本で生活するための在留資格です。
例えば、父親が「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で日本の会社に勤務している場合、その扶養を受ける子どもは「家族滞在」で日本に住むことができます。
では、その子どもが18歳になったら、在留資格を変更しなければならないのでしょうか。
答えは、いいえです。
出入国在留管理庁の公式Q&Aには、次のような質問と回答が掲載されています。
Q48:家族滞在で来日できる年齢の制限はありますか。
A : 扶養を受ける前提であれば、特に年齢の制限はありません。
つまり、家族滞在の対象となる子どもについて、法律上一律に18歳未満や20歳未満という制限が設けられているわけではありません。
が、年齢制限がないからと言って必ず許可されるかというと、そういうわけではありません。
成人した子どもの場合、実際の扶養関係や生活状況について、より詳しい説明が必要になります。
18歳・20歳・22歳でも家族滞在は更新できる?
家族滞在について、年齢ごとの一般的な考え方を整理してみましょう。
| 子どもの年齢・状況 | 家族滞在の更新 |
|---|---|
| 17歳・高校生 | 扶養関係があれば更新可能 |
| 18歳・高校生 | 年齢だけでは問題にならない |
| 19歳・大学生 | 親の扶養を受けていれば更新の可能性あり |
| 20歳・大学生 | 更新の可能性あり |
| 22歳・大学院生 | 扶養関係が続いていれば更新の可能性あり |
| 23歳・大学卒業後、無職 | 現在の生活状況や扶養の実態を個別に判断 |
| 25歳・正社員として就職 | 家族滞在の前提を満たさない |
重要なのは、単純な年齢ではありません。
現在も親の扶養を受けている子どもとして生活しているかどうかです。
例えば、20歳の大学生であっても、学費や生活費を父親が負担しており、本人に経済的な自立が認められない場合には、家族滞在の更新を検討できます。
一方、20歳であっても、すでに正社員として働き、自分の収入だけで生活している場合には、家族滞在を維持することが難しくなる可能性があります。
成人した子どもの更新で重要になる「扶養」とは?
18歳以上の子どもが家族滞在を更新する場合、特に重要になるのが「扶養関係」です。
扶養とは、親が子どもの生活を経済的に支えている状態を指します。
例えば、次のようなケースです。
- 父親が子どもの学費を支払っている
- 母親が子どもの食費や生活費を負担している
- 親の収入によって家族全員が生活している
- 子どもが大学に通っており、親から仕送りを受けている
このような場合には、成人していても親の扶養を受けていると説明できる可能性があります。
親と同居していなければならない?
家族滞在の子どもが、必ず親と同居しなければならないという一律の規定があるわけではありません。
例えば、東京都で働く父親の扶養を受けながら、子どもが地方の大学へ進学し、一人暮らしをしている場合などです。
ただし、別居している場合には、実際に扶養を受けていることを示すため、仕送りの記録や学費の支払資料などを準備するとよいでしょう。
子どもがアルバイトをしている場合は?
子どもがアルバイトをしているからといって、直ちに扶養関係がなくなるわけではありません。
例えば、大学生が資格外活動許可を取得し、週に数日アルバイトをしている場合です。
アルバイト収入はあるものの、生活費の大部分を親が負担しているのであれば、引き続き家族滞在を検討できる可能性があります。
ただし、本人の収入だけで生活できる状態になっている場合には、実際に親の扶養を受けていると主張するのは少し厳しいです。
※ちなみに、税金や健康保険の制度上の「扶養」と、入管法上の家族滞在における「扶養」は、必ずしも同じ判断基準ではありません。税法上の扶養親族に該当することだけで、家族滞在の更新が保証されるわけではない点にも注意してください。
大学・専門学校に進学したら「留学」に変更する必要がある?
「子どもが高校を卒業して大学に進学するので、留学ビザに変更しなければならないと思っていました」
このようなご相談もあります。
しかし、大学や専門学校へ進学したからといって、必ず「留学」に変更しなければならないわけではありません。
家族滞在の在留資格は、扶養を受ける家族として日本で日常生活を送るための資格です。親から扶養を受けながら学校に通うことは、家族滞在の在留資格でも可能です。
そのため、大学進学後も家族滞在の在留資格を維持しながら、日本で学業を続けられる場合があります。
それでは、留学に変更するメリットは?
一方で、大学への進学を機に「留学」への変更を検討した方がよいケースもあります。
例えば、奨学金を申請する場合です。
奨学金制度によっては、対象となる在留資格に条件が設けられています。
出入国在留管理庁の公式Q&Aでも、奨学金の対象となるために「家族滞在」から「留学」へ変更する申請について、事情を考慮して審査する旨が説明されています。
ただし、家族滞在のままでも利用できる奨学金や支援制度があるため、まずは申請する制度の対象要件を確認することが重要です。
大学に進学したら必ず変更するのではなく、現在の扶養状況と、利用したい制度などを踏まえて判断することをおすすめします。
高校卒業後、進学も就職もしない場合は更新できる?
高校を卒業したものの、大学には進学せず、まだ就職先も決まっていないという場合もあるでしょう。
例えば、次のようなケースです。
父親は日本で会社員として働いています。
子どもは18歳で高校を卒業しましたが、現在は自宅で日本語の勉強をしながら進路を考えています。
生活費はすべて父親が負担しています。
この場合、進学も就職もしていないという理由だけで、必ず家族滞在が不許可になるわけではありません。
ただし、成人後の生活状況について、次のような点を確認する必要があります。
- 高校卒業後、どのような生活を送っているか
- 進学や就職を希望しているか
- 現在、誰が生活費を負担しているか
- 親と同居しているか
- 今後の生活計画はどうなっているか
例えば、日本語の勉強を続けており、進学や資格取得を予定しているのであれば、その状況を具体的に説明することが考えられます。
また、家庭の事情で進学できなかった場合などもあるでしょう。
このようなケースでは、現在の扶養関係に加えて、高校卒業後の生活状況を説明する理由書などを準備することがあります。
ただし、理由書を提出すれば必ず更新できるわけではありません。
実際の生活状況が家族滞在の在留資格に該当しているかが重要です。
子どもが就職した場合、家族滞在はどうなる?
子どもが日本で就職する場合には、在留資格の変更が必要になることがあります。
家族滞在で資格外活動許可を取得した場合には、通常、週28時間以内のアルバイトを行うことができます。
しかし、正社員としてフルタイムで働く場合には、原則として、その仕事内容に適した在留資格へ変更しなければなりません。
例えば、大学を卒業してITエンジニアとして就職する場合には、「技術・人文知識・国際業務」への変更を検討します。
高校卒業後、「定住者」へ変更できる場合
出入国在留管理庁では、家族滞在で日本に在留し、高校卒業後に就職を希望する外国人について、一定の要件を満たせば「定住者」への変更を認める取り扱いを公表しています。
主な条件は次のとおりです。
- 日本の小学校・中学校などの義務教育を修了している
- 日本の高校を卒業している、または卒業見込みである
- 入国後、引き続き家族滞在などで日本に在留している
- 18歳未満で日本に入国している
- 就職先が決まっている
- 公的義務を適切に履行している
このほか、日本の高校への入学・編入の状況などによっては、「特定活動」への変更を検討できる場合もあります。
なお、ここでいう「18歳未満」は、家族滞在そのものの年齢制限ではなく、高校卒業後の就労を目的とする特別な在留資格変更制度の要件です。
混同しないよう注意しましょう。
家族滞在の更新が難しくなるケース
成人後の家族滞在については、年齢そのものよりも、扶養関係や本人の活動内容が重要になります。
特に注意したいのが、次のようなケースです。
① 子どもが経済的に自立している
子どもが自分の収入だけで生活している場合です。
この場合、親から扶養を受けるという家族滞在の前提を満たさなくなる可能性があります。
② 資格外活動許可の範囲を超えて働いている
家族滞在の資格外活動許可を取得していても、包括許可で認められた週28時間という範囲を超えて就労した場合には、在留状況に問題が生じる可能性があります。
不法就労に該当する場合もあるため、十分な注意が必要です。
③ 親の扶養能力が大きく変わった
例えば、扶養者である父親が失業し、家族全員の生活費を負担することが難しくなった場合です。
この場合、直ちに更新が不許可になると決まっているわけではありませんが、預貯金や今後の収入見込みなどを含めて説明する必要が生じることがあります。
④ 親の在留資格が変わった
例えば、父親が「技術・人文知識・国際業務」から「永住者」へ変更した場合です。
「永住者」は家族滞在の扶養者となる在留資格に含まれていません。
そのため、子どもについても「定住者」など、別の在留資格への変更を検討する必要があります。
特に子どもが18歳以上の場合は、定住者の告示上の条件との関係もあるため、慎重な検討が必要です。
親の在留資格が変わったときには、子どもの在留資格も一緒に確認する。それが大切です。
18歳以上の家族滞在を更新する場合の必要書類
家族滞在の更新では、年齢に関係なく、基本的には出入国在留管理庁が指定する書類を提出します。
主な必要書類は次のとおりです。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 在留期間更新許可申請書 | 入管庁の指定様式 |
| 証明写真 | 原則として縦4cm×横3cm |
| パスポート・在留カード | 申請時に提示 |
| 出生証明書など | 親子関係を証明 |
| 扶養者の在留カードまたはパスポートの写し | 親の在留資格を確認 |
| 在職証明書など | 扶養者の職業を証明 |
| 住民税の課税・納税証明書 | 扶養者の所得・納税状況を証明 |
扶養者が留学生などで収入を伴う就労をしていない場合には、預金残高証明書や奨学金の証明書など、生活費を負担できることを示す資料を準備します。
成人した子どもの場合に追加したい書類
18歳以上の場合には、実際の状況に応じて次のような資料を準備するとよいでしょう。
- 在学証明書
- 学生証の写し
- 学費の支払記録
- 親からの送金記録
- 子どものアルバイト収入を確認できる資料
- 親子の同居状況を確認できる住民票
- 卒業後の生活状況を説明する理由書
例えば、大学生の場合には、在学証明書を提出することで、現在も学業を続けていることを説明できます。
また、親と別居している場合には、送金記録や学費の支払資料などによって、実際に扶養を受けている状況を説明することが考えられます。
なお、追加書類がすべての申請で必須になるわけではありません。
よくある質問
Q1. 18歳になったら、家族滞在は自動的になくなりますか?
いいえ。
18歳になったという理由だけで、家族滞在の在留資格が自動的になくなることはありません。
引き続き親の扶養を受けている場合には、更新できる可能性があります。
Q2. 20歳を過ぎた大学生でも更新できますか?
はい。更新できる可能性があります。
例えば、20歳の大学生が親から学費や生活費を負担してもらっている場合には、引き続き家族滞在に該当する可能性があります。
ただし、扶養関係や本人の生活状況などを踏まえて個別に判断されます。
Q3. 大学に入学したら「留学」に変更する必要がありますか?
いいえ。大学に入学したという理由だけで、必ず「留学」へ変更する必要はありません。
家族滞在の条件を満たしていれば、そのまま大学へ通学できる場合があります。
ただし、奨学金などの関係で留学への変更を検討した方がよいこともあります。
Q4. 親と別居していても家族滞在を更新できますか?
別居しているという理由だけで、直ちに更新できなくなるわけではありません。
大学への進学などで親と離れて生活している場合でも、親から継続して扶養を受けているのであれば、更新を検討できます。
Q5. 18歳以上の子どもを海外から新しく呼び寄せることはできますか?
はい。家族滞在には一律の年齢制限がないため、18歳以上の子どもでも新規申請を検討できます。
ただし、年齢が高い場合には、現在も親の扶養を受けている理由や、日本での生活目的などを具体的に説明することが重要です。
Q6. 大学卒業後、就職先が決まっていない場合はどうなりますか?
大学を卒業したからといって、直ちに家族滞在の資格を失うわけではありません。
ただし、卒業後の生活状況、現在の扶養関係、今後の進路などについて説明が必要になる場合があります。
家族滞在を継続できるか、他の在留資格へ変更すべきかを個別に検討する必要があります。
Q7. アルバイトで収入がある場合、家族滞在は更新できませんか?
アルバイト収入があるという理由だけで、必ず不許可になるわけではありません。
資格外活動許可の範囲を守り、引き続き親から扶養を受けて生活しているのであれば、更新できる可能性があります。
ただし、本人の収入で経済的に自立している場合には注意が必要です。
まとめ|家族滞在は18歳・20歳を過ぎても更新できる可能性がある

家族滞在の在留資格には、18歳や20歳といった一律の年齢制限はありません。
そのため、成人した子どもであっても、親の扶養を受けながら日本で生活している場合には、引き続き家族滞在を更新できる可能性があります。
子どもの年齢だけで判断せず、現在の扶養状況や将来の進路を踏まえて、適切な在留資格を検討することが大切です。
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「18歳になった子どもの家族滞在を更新したい」
「20歳を過ぎても親の扶養で日本に住めるか知りたい」
「大学に進学するので、留学に変更すべきか相談したい」
「高校卒業後に就職するため、定住者や特定活動への変更を検討したい」
このような場合には、現在の在留資格や家族の生活状況を確認したうえで、適切な申請方法をご案内いたします。
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参考資料
- 出入国在留管理庁:在留資格「家族滞在」
- 出入国在留管理庁:出入国審査・在留審査Q&A(Q47・Q48)
- 出入国在留管理庁:「家族滞在」の在留資格に係る資格外活動許可について
- 出入国在留管理庁:家族滞在で在留し、高校卒業後に日本での就労を希望する方へ
- 出入国在留管理庁:在留資格「定住者」

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