「親が永住申請するとき、子どもも一緒に申請できる?」
「子どもは日本に2年しか住んでいないけれど、永住申請は可能?」
「親がまだ永住者ではないのに、子どもも永住申請できるの?」

日本で生活している外国人のご家庭から、このようなご相談をいただくことがあります。

一般的に、日本の永住許可を取得するためには、原則として10年以上日本に在留していることなどが必要です。

しかし、親が永住申請の条件を満たしている場合、子ども自身は10年間日本に住んでいなくても、親と同時に永住許可を取得できる可能性があります。

この記事では、外国人の子どもの永住申請について、特に親子同時申請の仕組み、必要な在留年数、審査で確認される条件を中心に、行政書士がわかりやすく解説します。

外国人の子どもは親と同時に永住申請できる?

結論として、一定の条件を満たせば、外国人の子どもも親と同時に永住許可申請を行うことができます。

例えば、次のようなご家庭です。

家族現在の在留資格日本での在留期間
父親技術・人文知識・国際業務12年間
母親家族滞在5年間
子ども家族滞在3年間

父親は日本の会社で長年勤務しており、永住許可申請の条件を満たしているこの場合、父親だけでなく、母親や子どもも一緒に永住許可申請を行うことが可能です。

同時申請のポイント

例えば、先ほどの父親が「技術・人文知識・国際業務」、子どもが「家族滞在」で生活している例で考えると、申請時点では父親はまだ永住者ではないため、厳密には子どもは「永住者の配偶者等」という身分ではありません。

しかし、後々親が永住者になった場合どうなるでしょう。

その場合、子どもの在留資格は「永住者の配偶者等」へ変更する必要があります。そして、子どもが永住者の配偶者等として永住申請をする条件を満たしていたのであれば、結果永住申請を行いますよね。

なので、わざわざ遠回りするような手順を踏まず、
「父親が永住申請する場合には、子供も永住者の配偶者等から永住申請する際の条件を満たしていれば、子供も同時に永住申請できる。」

という運用になっているのです。

子どもは日本に何年住んでいれば同時申請できる?

では同時申請の場合、子供はどのくらい日本に住んでいる必要があるのでしょうか。

2027年3月31日までの申請:原則1年以上

2026年11月現在のガイドラインでは、日本人・永住者・特別永住者の実子等について、原則として引き続き1年以上日本に在留していることが、在留期間の特例となっています。

2027年4月1日以降の申請:原則3年以上

2026年10月1日に公表された新しい永住許可ガイドラインでは、実子等の在留期間の特例が原則3年以上に変更されます。

申請時期永住者等の実子の在留期間特例
2027年3月31日まで引き続き1年以上
2027年4月1日以降引き続き3年以上

子どもの永住申請では、とくにどのような条件が審査される?

子どもの永住申請では、親子関係や在留状況、公的義務の履行などが確認されます。

① 親子関係があること

まず、日本にいる親と子どもが法律上の親子関係にあることを証明します。

一般的には、出生証明書や戸籍関係書類などによって確認します。

② 子どもの在留状況

子どもが日本で継続して生活しているかどうかも重要です。

例えば、長期間海外で生活しており、日本での在留実態が乏しい場合には、在留期間の特例を満たしているか確認が必要です。また、在留資格の更新や入管法上の届出などを適切に行っていることも大切です。

③ 親の収入と扶養能力

親子同時申請では、世帯全体の生活状況が確認されます。

子ども本人が小学生や中学生であれば、通常は自分自身で収入を得て生活していません。
そのため、実際には父親や母親の収入によって、家族全員が安定して生活できるかが重要になります。

④ 税金・年金・健康保険料の納付状況

永住許可申請では、公的義務の適正な履行が重要です。

特に、子どもを扶養している父親や母親については、住民税、公的年金、公的医療保険料などの納付状況を確認しておく必要があります。

子ども本人に納税義務がない場合でも、親の納付状況が子どもの永住審査に影響する可能性があります。

⑤ 子どもの就学状況

学齢期の子どもについては、日本の学校に通っているかどうかも重要な考慮事項です。2026年10月に公表された永住許可ガイドラインでは、学齢期の子どもの就学状況についても明確に記載されています。

日本の小学校や中学校に通っている場合には、在学証明書などによって就学状況を確認できるようにしておくとよいでしょう。

親だけ永住許可された場合、子どもはどうなる?

親子で同時に永住許可申請を行っても、必ず家族全員が許可されるわけではありません。

例えば、父親は永住許可されたものの、子どもは在留期間の条件を満たさず、不許可になる場合もあります。

この場合でも、子どもの現在の在留資格が直ちに取り消されるわけではありませんが、場合によって子どもの在留資格を「永住者の配偶者等」などへ変更する必要があります。

日本で生まれた永住者の子どもは、出生後すぐに永住申請できる?

ここまで説明した親子同時申請とは別に、日本で赤ちゃんが生まれた場合の取り扱いもあります。

例えば、次のようなご家庭です。

  • 父親:中国国籍・永住者
  • 母親:中国国籍・永住者の配偶者等
  • 赤ちゃん:日本で出生した中国籍の子ども

この場合、赤ちゃんについては出生から30日以内に申請をすることで永住許可の取得を申請できる可能性があります。

※この申請は、すでに日本で在留資格を持っている子どもの永住許可申請とは異なる、出生による在留資格取得の手続きです。

そのため、出生した赤ちゃんが、永住者の実子として1年間または3年間日本に住んでから申請する必要はありません。

親と子どもを同時申請する場合の必要書類

親子で永住許可申請を行う場合には、親と子ども、それぞれの申請書が必要です。

また、適用する申請区分によって必要書類が異なります。

子どもに関する主な書類

書類内容
永住許可申請書子ども本人の申請書
証明写真年齢に応じた提出
出生証明書など親子関係を証明
パスポート申請時に提示
在留カード申請時に提示
住民票世帯全員の記載があるもの
在学証明書就学状況を説明する場合
身元保証書所定の様式
了解書所定の様式

親に関する主な書類

  • 永住許可申請書
  • 永住許可申請理由書
  • 在職証明書など
  • 住民税の課税証明書・納税証明書
  • 年金の納付状況を確認する資料
  • 健康保険料の納付状況を確認する資料
  • 預貯金などの資産に関する資料
  • その他、申請区分に応じた必要書類

よくある質問

Q1. 父親が永住申請するとき、子どもも一緒に申請できますか?

はい。一定の条件を満たしていれば、同時申請を検討できます。

ただし、親子それぞれの在留状況や申請時期によって判断が異なります。

Q2. 子どもが10年間日本に住んでいなくても永住申請できますか?

はい。

2027年3月31日までの申請では原則1年以上、2027年4月1日以降は原則3年以上の継続在留が特例の条件です。

Q3. 父親がまだ永住者ではないのに、なぜ子どもも申請できるのですか?

父親の永住許可が認められることを前提に、子どもについても「永住者の配偶者等」に準じた審査を行う実務上の取り扱いがあるためです。

Q4. 子どもは「永住者の配偶者等」に変更してから永住申請しなければなりませんか?

いいえ。

現在の在留資格が「家族滞在」であっても、親子同時に永住許可申請を行うことは可能です。

「永住者の配偶者等」への変更を必ず経由する必要はありません。

Q5. 親が永住不許可になった場合、子どもだけ許可されますか?

子どもの申請が、親の永住許可を前提とする特例に基づいている場合には、その前提がなくなるため、子どもも不許可になる可能性が高くなります。

ただし、子ども自身が別の永住許可要件を満たしている場合には、個別に検討する余地があります。

まとめ|できれば永住申請は親子同時で

子どもが単独で永住申請する場合と親子同時申請では審査上の前提が異なるため、できれば永住申請は親子同時で行うことをお勧めします。

子どもの永住許可・親子同時申請は行政書士へご相談ください

とりかに国際行政書士法人では、外国人のご家族の永住許可申請についてご相談を承っております。

「父親と子どもを一緒に永住申請したい」

「子どもはまだ日本に1〜3年しか住んでいない」

「親の永住許可後、子どもの在留資格をどうすればよいかわからない」

このような場合にも、ご家族の在留資格や在留年数、収入状況などを確認したうえで、適切な申請方法をご案内いたします。

お気軽にお問い合わせください。



参考資料

宍戸

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