とりかに国際行政書士法人が、子どもの在留資格に力を入れる理由
日本で暮らす外国籍の子どもたちの中には、言葉や文化の違い、家庭環境、在留資格など、さまざまな事情によって、希望する進路や生活の選択が難しくなる子どもたちがいます。
日本で生まれ育ち、日本の学校に通い、日本語を話す子どもであっても、外国籍である以上、日本での在留には法律上の条件や手続きが関係します。
また、子どもの在留資格は、保護者の在留資格や就労状況、家族関係などによって影響を受ける場合があります。
子ども自身が何か問題を起こしたわけではなくても、親の失業や離婚、在留資格の変更などによって、子どもの生活にも大きな影響が及びます。
私たち、とりかに国際行政書士法人は、こうした子どもたちの現在と未来を、在留資格の専門家として支えていきたいと考えています。
多様化する子どもたち
文部科学省が2025年4月に公表した「外国人児童生徒等教育の現状と課題」によると、2024年度に日本の公立学校に在籍する外国籍の児童生徒は138,714人に上ります。
また、2023年度の調査では、日本語指導が必要な児童生徒は、日本国籍の子どもを含め69,123人となり、約10年間でおよそ1.9倍に増加しています。

子どもたちの母語や文化的背景、来日した時期、家庭環境も多様化しています。
- 日本で生まれた子ども
- 未就学期から日本で暮らし始める子ども
- 小学校や中学校の途中から日本で暮らし始める子ども
- 就職直前で日本に来た子ども
- 両親はおらず、祖父母と暮らす子ども
- 片親で外国籍の保護者に育てられる子ども
- 日本国籍だけど日本語がしゃべれない子ども
外国人の子どもたちの教育は、もはや一部の学校や地域だけの問題ではありません。
しかし、日本語指導が必要な児童生徒のうち、約1割が特別な日本語指導等を受けられていない状況も示されています。このように子どもたちの増加と多様化に、支援体制が十分に追いついていない現実があります。
そして在留資格も、就職する年齢になって初めて生じるものではありません。生まれたときから、成長し、進学し、社会に出るまで、子どもの生活のさまざまな段階に関わる問題なのです。

約8,600人の不就学児
日本の公立小学校・中学校では、外国籍の子どもも、就学を希望すれば日本人の子どもと同様に無償で教育を受けることができます。
しかし、外国籍の子どもの保護者には、日本国籍の子どもの保護者と同じ法的な就学義務が課されているわけではありません。
文部科学省の2023年度調査によると、住民基本台帳上の学齢相当の外国人の子どもは150,695人でした。
そのうち、不就学の可能性があるとされた子どもは8,601人です。

この数字には、実際に不就学であることが確認された970人のほか、就学状況を確認できなかった7,199人などが含まれているため、8,601人全員が学校に通っていないと確認されたわけではありません。それでも、多くの子どもの就学状況を十分に把握できていないことは、重要な課題です。
文部科学省は、外国人の子どもの就学促進に向けて、住民登録窓口と教育委員会との情報共有、多言語による就学案内、電話や家庭訪問による状況確認などを推進していますが、私たちは、外国人の子どもを日本に呼び寄せる在留資格の手続きを扱う立場として、こうした教育制度への理解も重要だと考えています。
例えば、外国人の保護者が日本で働き始め、その後、母国にいる子どもを呼び寄せる場合です。
子どもの在留資格が許可され、日本に入国できたとしても、それだけで日本の学校への入学手続きが完了するわけではありません。保護者は、住民登録や教育委員会への相談など、必要な手続きを確認する必要があります。
在留資格によっては、保護者自身の在留期間や扶養状況が、子どもの在留資格の審査に大きく関係します。
私たちは、在留資格の申請だけを切り離して考えるのではなく、子どもが日本でどのように生活し、教育を受けていくのかという視点も大切にしたいと考えています。
在留資格の手続きが完了すれば、それで子どもへの支援が終わるわけではありません。日本で暮らし始めた子どもが、適切な教育につながることも大切です。
一時の非行が人生に影響
国籍にかかわらず、幼い子どもたちは、成長の過程でさまざまな経験をし、ときには間違った判断をしてしまうことがあり、友人関係や家庭環境、周囲の影響などによって、非行に至ってしまう子どももいます。
日本国籍の子どもであればいつか笑い話に出来るような話でも、外国籍の子どもたちの場合、その行為が少年法上の問題だけでなく、在留資格にも影響し、一生後悔する出来事になりかねません。
在留資格の更新や変更では、在留中の素行などが審査上考慮される場合があり、将来、永住許可を希望する場合には、原則として「素行が善良であること」なども求められます。
出入国在留管理庁の永住許可に関するガイドラインでも、刑罰法令違反や一定の少年法上の保護処分が審査における消極的な評価の対象となることが示されています。
行為の内容や刑事処分の結果などによっては、退去強制に関する規定が問題となり、
一回の犯罪が、周りの人との関係、生活、すべてを終了させてしまう可能性があります。
もちろん、非行歴があるからといって、必ず在留資格の更新が不許可になったり、日本から退去しなければならなくなったりするわけではありません。行為の内容、処分の種類、本人の年齢、これまでの在留状況、家族関係、更生の状況など、個別の事情を踏まえた判断が必要です。
それでも、一時の判断や行動が、何年も先の在留資格や、日本で暮らし続けられるかという問題にまで影響する可能性があることは、子どもたち自身にも知っておいてほしいと考えています。
大切なのは、問題が起きる前に正しい知識を伝えること。
取り返しのつかない事態を防ぐための知識が必要なのです。
社会に出るための準備
日本で暮らす日本国籍の子供たちと同じく、外国につながりのある子どもたちにとって、中学校卒業から高校進学、そして高校卒業後の進路選択は、将来を左右する重要な時期です。
文部科学省の2023年度調査等では、日本語指導が必要な生徒と全生徒との間に、次のような差が報告されています。
| 項目 | 日本語指導が必要な生徒 | 全生徒 |
|---|---|---|
| 中学校卒業後の進学率 | 90.3% | 99.0% |
| 高校中途退学率 | 8.5% | 1.1% |
| 高校卒業後の大学等進学率 | 46.6% | 75.0% |
| 高校卒業後の就職者に占める非正規就職率 | 38.6% | 3.1% |
| 高校卒業後、進学も就職もしていない者の割合 | 11.8% | 6.5% |
高校中途退学率は全高校生の約7.7倍、就職者に占める非正規就職率は約12.5倍となっています。

こうした格差の背景には、日本語能力、家庭の経済状況、学習環境、進路に関する情報不足など、さまざまな要因が考えられます。
文部科学省も、外国人生徒の進路選択を支えるため、早い時期からのキャリア教育や進路指導が必要だとしています。
そして、外国籍の子どもたちについては、こうした教育上の課題に加えて、在留資格の制度が進路選択に関わる場合があります。
【例】在留資格「家族滞在」で日本の高校に通う子どもが、卒業後に日本で働きたいと希望する場合
「家族滞在」は、原則として就労を目的とする在留資格ではありません。
資格外活動許可を受けることで一定の範囲でアルバイトが認められる場合はありますが、卒業後にフルタイムで就職する場合には、原則として就労が認められる在留資格への変更を検討する必要があります。
就職先での活動内容や本人の経歴などに応じて、「技術・人文知識・国際業務」や「特定技能」などの就労のための在留資格、もしくは「定住者」「特定活動」がなどの就労以外を目的とする在留資格などが、検討対象となります。
すべての子どもが同じ制度を利用できるわけでは ありません
例えば、日本の高校を卒業していることだけで、希望する職種への就職が当然に認められるわけではありません。
日本でどのくらいの期間生活してきたのか、どのような学校に通ってきたのか、どのような仕事に就きたいのか。
そうした事情によって、検討すべき在留資格や必要な準備が異なります。
また、高校卒業後に大学や専門学校へ進学する場合にも、現在の在留資格や扶養状況、進学後の活動内容などによっては、在留資格の変更や更新について検討が必要になることがあります。
子どもが進路を決めるとき、在留資格の問題が選択肢を狭めてしまわないよう、早い段階から必要な情報を届けたい。
それが、私たちの考えです。
国も支援を強化
文部科学省は、外国人児童生徒等の教育環境を整えるため、さまざまな施策を進めています。
その中には、自治体が行う日本語指導や就学支援などへの補助事業も含まれており、具体的な取り組みには、次のようなものがあります。
日本語指導・母語支援の充実
日本語指導補助者や母語支援員を配置し、日本語に不慣れな子どもたちが学校生活や教科学習に参加できるよう支援する取り組み
就学前の支援
幼児や保護者を対象としたプレスクールや親子日本語教室などを通じて、日本の学校生活への円滑な移行を支援
ICTを活用した教育支援
オンラインによる日本語指導や多言語翻訳システムなどを活用し、地域による支援体制の差にも対応する取り組み
高校生への包括的な支援
日本語指導だけでなく、進路指導やキャリア教育を含めた支援を行う
2024年度には、こうしたきめ細かな支援事業が33都道府県、19政令指定都市、26中核市、119市区町村で実施されています。
国や自治体は、外国人の子どもたちの教育を社会的な課題として捉え、支援体制の整備を進めており、私たちは、こうした取り組みに、在留資格の専門家として関わることができると考えています。
例えば、学校の先生が外国籍の生徒から進路相談を受けた際、その生徒の在留資格によっては、希望する就職先で働くために在留資格の変更が必要となる場合があります。
また、子どもの在留資格の更新時期と、進学や就職の時期が重なることもあります。
教育機関が進路指導を行う際に、在留資格に関する問題を早期に把握できれば、子ども本人や保護者が必要な準備を進める時間を確保できる可能性があります。

保護者の事情
外国籍の子どもの在留資格を考えるうえで、特に重要なのが保護者との関係です。
扶養者である保護者の在留資格や扶養状況などが、子どもの在留資格の審査に関係します。例えば以下の状況です。
- 保護者が失業
- 転職
- 在留資格を変更
- 保護者が離婚
- 子どもの監護・扶養の状況が変化
このような状況が起きると、現在の在留資格のままで問題がないかを確認する必要があります。
日本で長期間生活してきた外国籍の子どもについては、将来の永住許可申請や帰化申請を検討することもありますが、永住や帰化は、それぞれ異なる制度であり、必要な要件も異なります。
子どもの年齢や在留歴、家族の状況などを踏まえ、適切な時期に検討することが重要です。
生まれる国も、親の国籍も、自分で選べない
子どもたちが抱える問題は、一つの専門分野だけで解決できるとは限りません。
日本語教育が必要な子どもには、日本語教育の専門家による支援が、家庭環境や生活に問題を抱える子どもには、福祉や児童支援の専門家による支援が必要です。
そして、在留資格に関する問題を抱える子どもには、入管制度に精通した専門家による支援が必要です。
例えば、次のような場面が考えられます。
- 海外にいる子どもを日本へ呼び寄せたいとき
- 日本で外国籍の子どもが生まれたとき
- 親の離婚や失業などによって、家族の在留状況が変化したとき
- 子どもが高校卒業後、日本での就職を希望するとき
- 日本で育った外国籍の子どもが、将来も日本で暮らし続けたいと考えたとき
こうした問題は、学校や地域の支援者の方々だけでは対応が難しい場合があります。
私たちは、行政書士として、在留資格に関する正確な情報提供と適切な手続きを通じて、その一端を担いたいと考えています。
・教育の専門家
・福祉の専門家
・地域の支援者
・在留資格の専門家
それぞれが役割を果たし、必要に応じて連携することで、子どもたちをより広い視点から支えることができると考えています。
日本に来ることも、日本で暮らし始めることも、多くの場合、子ども自身が決めたことではありません。
親の離婚や失業、家族関係の変化なども、子ども自身がコントロールできるものではありません。
子ども自身にはどうすることもできない事情があるからこそ、大人たちが、できる限りのことを考えるべきだと思うのです。
とりかに国際行政書士法人の役割
私たちは、子どもの在留資格に関する専門性を高めるとともに、子どもたちとその保護者が、必要なときに適切な情報や支援につながれる環境づくりにも取り組んでいきます。
外国人の子どもを育てるご家庭への支援
子どもの呼び寄せ、出生に伴う在留資格の取得、在留資格の更新・変更、永住など、子どもの成長や家族の状況に応じた相談に対応します。
学校・教育機関への情報提供
外国人生徒の在留資格、進学や就職に伴う手続き、在留期限の管理などについて、教育機関の皆さまに役立つ情報を発信していきます。
自治体・支援団体との連携
外国人家庭を支える自治体や団体の皆さまとつながり、在留資格に関する相談や情報提供を通じて、子どもたちへの支援に協力していきます。
子どもの在留資格に関する知識の普及
専門的で分かりにくい在留資格の制度について、保護者や子ども本人にも理解しやすい情報を継続的に発信していきます。
こうした活動を、一時的な取り組みではなく、長く継続していき、在留資格という専門分野から、その可能性を支えていきたいと考えています。
とりかに国際行政書士法人
教職員・子ども・保護者向けのセミナー
とりかに国際行政書士法人では
- 教育機関の教職員(公立私立の小中高校)
- 自治体
- 支援団体職員
- 子ども本人や保護者
- 産婦人科入院中の産婦
- 幼稚園・保育園
- 国際交流の市民団体
- 教育サービスを事業とする民間企業
を対象に以下の内容で状況に合わせてセミナーの講師を承っています。
- 日本で子供が生まれたらまずすること
- 子どもの進路と在留資格(進路相談のポイント)
- 在留資格とは(日本国籍の子供と外国籍の子供の教育課程)
ご希望者様は問い合わせページからご連絡ください。
参考資料・出典
文部科学省 総合教育政策局国際教育課
「外国人児童生徒等教育の現状と課題」(令和7年4月)
https://www.mext.go.jp/content/20250425-mxt_kyokoku-000041756_005.pdf
主な参照箇所:
- 公立学校に在籍する外国籍の児童生徒数(資料2ページ)
- 日本語指導が必要な児童生徒の状況(資料3〜4ページ)
- 外国人の子どもの就学状況等調査(資料34ページ)
- 中学生・高校生の進路状況(資料38、59〜60ページ)
- 外国人児童生徒等への教育の充実(資料43ページ)
- 日本語指導の「特別の教育課程」の実施状況(資料49ページ)
- 外国人の子どもの就学促進に関する取組事例(資料58ページ)
- 公立高等学校における受入れ(資料61ページ)
※統計数値は、資料に掲載された各年度の調査結果に基づいています。調査対象・集計方法が異なる数値を含みます。
※在留資格に関する説明は、文部科学省資料の内容ではなく、出入国管理及び難民認定法等に基づく一般的な制度説明です。個別の申請可否や必要な手続きは、本人の在留資格や家族関係、在留歴等によって異なります。
