「日本の永住権を持っているけれど、母国にいる子どもを呼び寄せたい」
「海外で生まれた子どもは、永住者の配偶者等と定住者のどちらで申請するの?」
「子どもが17歳ですが、まだ日本へ呼び寄せられますか?」
日本で永住者として生活している外国人の方から、このようなご相談をいただくことがあります。
海外で生まれ、現在も海外で生活している外国籍の子どもについては、18歳未満で未婚の実子であり、永住者である親の扶養を受ける場合、「定住者」の在留資格で日本へ呼び寄せることができます。
この記事では、海外で生まれた永住者の子どもを日本へ呼び寄せる場合について、定住者ビザの条件、年齢制限、扶養能力、必要書類、申請方法を行政書士がわかりやすく解説します。
海外で生まれた永住者の子どもは「定住者」で呼び寄せる
例えば、次のようなご家庭を考えてみましょう。
- 父親:イギリス国籍・日本の永住者
- 母親:イギリス国籍・イギリス在住
- 子ども:イギリス国籍・イギリスで出生した12歳の子ども
父親は日本で長年働いて永住権を取得しましたが、母親と子どもは現在もイギリスで生活しています。
父親が子どもを日本へ呼び寄せ、一緒に生活したいと考えた場合、子どもについては「定住者」の在留資格を検討することになります。
子どもが未成年で未婚であること、法律上の実子であること、父親の扶養を受けて生活することなどの要件を満たす必要があります。
定住者告示6号イについて
「定住者」とは、法務大臣が特別な理由を考慮し、一定の在留期間を指定して日本での居住を認める在留資格です。
その中でも定住者告示6号イは、日本人、永住者、特別永住者の扶養を受けて生活する未成年・未婚の実子を対象としています。
そのため、海外で生まれた永住者の実子を呼び寄せる場合には、通常、この規定に該当するかどうかを確認します。
「永住者の配偶者等」では呼び寄せられないの?
永住者の子どもの呼び寄せでは、「永住者の配偶者等」と「定住者」の違いを理解しておくことが重要です。
「永住者の配偶者等」という在留資格には、永住者の配偶者だけでなく、一定の条件を満たす永住者の子どもも含まれています。
しかし、その対象となる子どもについては、原則として日本で出生し、その後引き続き日本に在留していることが必要です。
そのため、海外で生まれ、海外で生活している子どもを初めて日本へ呼び寄せる場合には、通常「永住者の配偶者等」には該当しません。
出生地による在留資格の違い
| 子どもの状況 | 主に検討する在留資格 |
|---|---|
| 永住者の子として日本で出生し、引き続き日本に在留 | 永住者、永住者の配偶者等 |
| 海外で出生した18歳未満・未婚の実子で、永住者の扶養を受ける | 定住者(告示6号イ) |
| 永住者の扶養を受ける6歳未満の養子 | 定住者(告示7号) |
| 海外で出生した18歳以上の実子 | 留学・就労資格などを個別に検討 |
このように、どの在留資格が適切なのかは、子どもの出生地や年齢、親子関係によって異なります。
海外で生まれた子どもを呼び寄せるための4つの条件
永住者の外国籍の実子を「定住者」で呼び寄せる場合、特に確認したい条件は次の4つです。
条件① 18歳未満であること
定住者告示6号では、対象となる実子が未成年であることを求めています。
現在、日本の法律では18歳未満が未成年に該当します。
そのため、18歳以上の子どもは、原則としてこの類型によって新たに日本へ入国することができません。
さらに重要なのは、申請時点だけでなく、日本への入国時点でも18歳未満である必要があるという点です。出入国在留管理庁は、在留資格認定証明書が交付されていても、18歳に達する前日までに日本へ入国する必要があると案内しています。
例えば、17歳のうちに定住者の在留資格認定証明書が交付されたとしても、18歳に達してから入国することはできません。
条件② 未婚であること
子どもが未婚であることも必要な条件です。
18歳未満であっても、婚姻している場合には、告示6号イの未婚の実子という条件を満たしません。
条件③ 永住者の実子であること
日本にいる永住者と子どもの間に、法律上の親子関係があることも重要です。
通常は、海外で発行された出生証明書などによって親子関係を証明します。
例えば、中国の場合には、出生医学証明や親族関係に関する公証書などが役立つ場合があります。
また、日本にいる父親が子どもを認知している場合には、認知関係の証明書などが必要になることもあります。
条件④ 永住者である親の扶養を受けること
子どもが永住者の親から扶養を受けて生活することも重要です。
例えば、日本にいる父親が海外の子どもの生活費や教育費を負担している場合です。
これまでの扶養状況や、来日後も継続して子どもを養育できるかなどが確認されます。
そのため、収入や預貯金だけでなく、これまでの送金記録、親子の生活状況、日本での養育計画なども重要になることがあります。
子どもを呼び寄せるには年収いくら必要?
永住者が海外の子どもを呼び寄せる場合、扶養能力についてのご相談も多くあります。
「年収300万円あれば申請できますか?」
「永住者ですが、現在は無職です。子どもを呼び寄せられますか?」
このようなご質問をいただくことがあります。
結論として、定住者告示6号イについて、すべての家庭に一律に適用される最低年収額が公表されているわけではありません。
そのため、年収300万円以上なら必ず許可される、年収250万円以下なら必ず不許可になる、といったものではありません。
一般的には、次のような事情を踏まえて、子どもを扶養できるかどうかを確認する必要があります。
- 親の年間収入や毎月の給与
- 扶養する家族の人数
- 家賃や日常生活費
- 預貯金の額
- 現在の雇用状況
- 子どもの教育費
- 来日後の住居や生活予定
例えば、父親と子どもの2人で生活する場合と、配偶者や複数の子どもを含めて5人で生活する場合とでは、必要な生活費が異なります。
したがって、収入の金額だけでなく、世帯全体の生活状況を踏まえて判断することが大切です。
海外で祖父母と暮らしていた子どもも呼び寄せられる?
永住者の方が日本で働いている一方、子どもは母国の祖父母に預けているケースもあります。
例えば、次のような家庭です。
- 父親:日本の永住者、在日10年以上
- 子ども:中国在住、14歳
- 子どもの養育者:中国に住む祖父母
父親は日本で働きながら、子どもの生活費を負担していました。
しかし、祖父母が高齢になってきたため、今後は子どもを日本へ呼び寄せ、一緒に生活したいと考えています。
このような場合でも、条件を満たせば定住者での呼び寄せを検討できます。
ただし、長期間親子が離れて生活していた場合には、これまでの養育状況や、今回日本へ呼び寄せる理由について説明が必要になることがあります。
離婚した前の配偶者との子どもも呼び寄せられる?
永住者が離婚している場合でも、前の配偶者との間に生まれた実子を日本へ呼び寄せることは検討できます。
例えば、次のようなケースです。
- 父親:中国国籍・日本の永住者
- 母親:中国国籍・離婚後、中国在住
- 子ども:中国国籍・12歳、中国在住
父親が子どもを日本に呼び寄せて養育する場合、定住者告示6号イの条件を満たす可能性があります。
ただし、子どもの親権や監護に関する問題には注意が必要です。
永住者の子どもの呼び寄せに必要な書類
海外にいる子どもを定住者の在留資格で呼び寄せる場合、通常は「在留資格認定証明書交付申請」を行います。
申請では、日本にいる永住者の親と、海外にいる子どもの双方に関する資料を準備します。
① 基本的な申請書類
| 必要書類 | 内容 |
|---|---|
| 在留資格認定証明書交付申請書 | 入管庁の指定様式 |
| 子どもの証明写真 | 指定の規格によるもの |
| 返信用封筒 | 書面申請の場合、交付方法に応じて準備 |
| 子どもの出生証明書 | 法律上の親子関係を証明 |
| 身元保証書 | 通常は扶養者である親が作成 |
| 扶養の必要性に関する理由書 | 親の扶養を必要とする事情を説明 |
また、子どものパスポートの写しや、本国の身分証明書なども、必要に応じて用意します。
認知によって親子関係が成立している場合には、認知を証明する資料が必要になることがあります。
② 永住者の親に関する書類
| 必要書類 | 内容 |
|---|---|
| 在留カードの写し | 永住者であることを確認 |
| 住民票 | 日本での住所・家族関係を確認する補足資料 |
| 住民税の課税証明書 | 原則として直近1年分 |
| 住民税の納税証明書 | 原則として直近1年分 |
| 在職証明書 | 会社員の場合 |
| 確定申告書の控えなど | 自営業者の場合 |
| 預貯金通帳の写しなど | 無職の場合や扶養能力の補足 |
なお、住民票や在留カードの写しなど、補足的に準備する資料は、申請状況によって必要性が異なります。
出入国在留管理庁の公表する提出書類一覧を確認し、個別の事情に応じて準備することが大切です。
③ 状況に応じて追加したい資料
例えば、次のような資料です。
- 親子の写真
- 子どもへの送金記録
- 子どもの在学証明書
- 日本での就学計画
- 来日後の住居に関する資料
- 前の配偶者との離婚証明書
- 親権や監護関係の資料
- 長期間別居していた理由を説明する資料
これらは、すべての申請で必須というわけではありません。
例えば、子どもが長期間祖父母と生活していた場合には、これまでの養育状況を説明する資料が重要になることがあります。
また、外国語で作成された書類には日本語訳を添付する必要があります。
日本国内で発行される証明書については、原則として発行から3か月以内のものを準備します。
よくある質問
Q1. 永住者の子どもは、海外から直接「永住者」として日本に来られますか?
原則として、海外にいる子どもが、親の永住資格を理由に直接「永住者」の在留資格を取得して入国することはできません。
海外で生まれた未成年・未婚の実子であれば、通常は「定住者」を検討します。
Q2. 親が子どもの出生後に永住者になった場合でも呼び寄せられますか?
はい。現在の親が永住者であり、子どもが18歳未満で未婚の実子として扶養を受けるなどの要件を満たしている場合には、定住者での呼び寄せを検討できます。
親が子どもの出生時から永住者だったことは、告示6号イの条件ではありません。
Q3. 子どもが17歳でも呼び寄せられますか?
はい。ほかの要件を満たしていれば申請を検討できます。
ただし、日本への入国時点でも18歳未満である必要があります。
申請から査証発給までには時間がかかる可能性があるため、早めの準備が必要です。
Q4. 子どもが長期間祖父母に育てられていても申請できますか?
申請を検討できます。
ただし、これまでの扶養状況や、今回日本へ呼び寄せる理由などを説明する必要が生じる場合があります。
Q5. 親が無職の場合でも申請できますか?
無職であることだけで、申請できなくなるわけではありません。
ただし、預貯金や生活費の確保状況などによって、子どもを扶養できることを説明する必要があります。
Q6. 子どもが日本へ来た後、定住者として働くことはできますか?
「定住者」は在留資格上の就労制限がないため、職種による制限はありません。
ただし、未成年者には労働基準法などによる制限があります。
また、未成年・未婚の実子として定住者の在留資格を取得する際には、親の扶養を受けるという条件が重要になります。
Q7. 永住者の子どもを「家族滞在」で呼び寄せることはできますか?
永住者を扶養者として「家族滞在」を申請することはできません。
家族滞在は、技術・人文知識・国際業務や経営・管理など、一定の在留資格を持つ外国人の扶養を受ける配偶者や子どもが対象となるためです。
永住者が海外で生まれた未成年・未婚の実子を扶養する場合には、通常「定住者」を検討します。
まとめ|海外で生まれた永住者の子どもは「定住者」の条件を確認
海外で生まれた外国籍の子どもを、永住者である親が日本へ呼び寄せる場合には、通常、「定住者」(告示6号イ)の在留資格を検討します。
海外で生まれた永住者の子どもの呼び寄せは行政書士へご相談ください
とりかに国際行政書士法人では、永住者の方が海外にいる子どもを日本へ呼び寄せるための在留資格申請について、ご相談を承っております。
「永住権を持っているので、母国にいる子どもを日本へ呼び寄せたい」
「長期間、祖父母に育てられた子どもを呼び寄せたい」
「離婚した前の配偶者との間に生まれた子どもを日本に連れてきたい」
このような場合にも、子どもの年齢や現在の生活状況、親の扶養能力などを確認したうえで、適切な申請方法をご案内いたします。
お気軽にお問い合わせください。
参考資料
- 出入国在留管理庁:在留資格「定住者」
- 出入国在留管理庁:未成年・未婚の実子の定住者申請
- 出入国在留管理庁:永住者・定住者・特別永住者が扶養する場合の必要書類
- 出入国在留管理庁:在留資格「永住者の配偶者等」
- 出入国在留管理庁:在留資格認定証明書交付申請
- 出入国在留管理庁:永住許可に関するガイドライン

お困りのことがあれば、是非私たちへお問合せ下さい!
問い合わせ
LINE,Wechat,Whatsapp,お電話、入力フォーム、都合のよろしい方法でお気軽にお問い合わせください。



