
こんにちは、宍戸です。
永住資格審査において収入・年金、日本語力、配偶者の特例などを大幅に見直す方針
2026年7月25日、政府が外国人の永住許可要件を大幅に厳格化する方向で、「永住許可に関するガイドライン」の改正案をまとめたとの報道がありました。
今回報じられた改正案では、単なる在留年数や納税状況だけではなく、将来にわたる経済的な安定性、日本語能力、日本社会のルールへの理解、子どもの就学状況なども含め、これまで以上に厳しく審査する方向性が示されています。
現時点では、政府や出入国在留管理庁から新しいガイドラインの最終版が正式に公表されたわけではありません。そのため、以下は2026年7月25日時点の報道内容に基づく暫定的な解説となることをご留意ください。
収入・年金・資産に関する経済要件を大幅に強化
永住許可の法律上の要件の一つに、次の条件があります。
「独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること」
現在のガイドラインでは、日常生活において公共の負担にならず、保有する資産や技能などから、将来にわたって安定した生活が見込まれることが求められています。
これまでも、申請人本人だけでなく、扶養する配偶者や子どもの人数、世帯収入、就労状況、転職歴などを踏まえて、かなり厳格に生活の安定性が審査されてきました。
しかし、今回の改正案では、「将来にわたって自活できる能力」をこれまで以上に明確化し、原則として日本人と同等以上の経済的条件を求める方向と報じられています。
具体的には、次のような基準が検討されているとされています。
日本人世帯の平均年収を上回る収入
原則として、日本人世帯の平均年収を上回る水準の収入が求められる可能性があります。
実際の基準が、
- 世帯全体の年収はいつの日本人の収入を基準とするのか
- 扶養人数や居住地域によって調整されるのか
といった詳細については、現時点では明らかになっていません
※ちなみに、現在の日本の世帯収入平均値は524万円です。
厚生年金に30年間加入した場合に相当する年金受給見込み額
今回の報道で特に注目されているのが、将来受け取ることができる年金の見込額を審査対象とする方針です。
報道によると、原則として申請時点において、日本人の平均的な年収水準で厚生年金に30年間加入した場合に相当する年金受給見込額を確保していることが求められる方向とされています。
ただし、「年金受給見込額」が具体的に何を表すのか、現時点では明らかになっていません。
実際に厚生年金へ30年間加入し、保険料を納付していることが必要なのか、それとも、例えば年収550万円程度で10年間働いた実績があれば、今後も同程度の収入が継続し、一定額の年金受給が見込まれると判断されるのかについては、現段階では判断できません。
仮に、実際の加入期間と納付実績を基準として判断するという意味であれば、年収550万円程度の方は、おおむね30年間にわたって厚生年金に加入し、保険料を納付する必要があることになります。
・40歳以降に来日した外国人の方の大部分は30年間の支払い実績を作ることができない
・国民年金加入者はどうなるのか
日本語能力や日本社会への適応状況も重要な審査対象に
永住許可には、「その者の永住が日本国の利益に合すると認められること」という要件があります。
現在は、原則10年以上の在留、公的義務の適正な履行、罰金刑や拘禁刑を受けていないこと、一定以上の在留期間を有していることなどが、主な判断要素としてガイドラインに定められています。
今回の改正案では、この要件に「積極的かつ具体的に我が国に利益を及ぼすこと」という考え方を加え、日本社会への適応状況をより厳しく審査する方針とされています。
一定水準以上の日本語能力
報道では、日本語能力について、国際的な言語能力の基準における「自立した言語使用者」に相当する水準が想定されています。
これは、簡単なあいさつや買い物ができる程度ではなく、日本語を使用して日常生活や社会生活をある程度独立して行える水準と考えられます。
ただし、具体的に日本語能力試験のN2やN3など、どの資格・レベルが基準になるのか、試験の合格証明が必須となるのかについては、現時点では明確になっていません。
日本の文化や生活ルールを学ぶ制度も検討
日本語能力に加えて、日本の文化や社会制度、生活上のルールについて学ぶプログラムの導入も検討されています。政府は、外国人が日本語、日本文化、社会のルールなどを包括的に学ぶための事業を、2027年度にも開始する方針となっており、このプログラムについては、永住許可やその他の在留資格の審査において、受講を義務付ける案も検討されているとのことです。
日本人・永住者の配偶者に対する特例を大幅に延長
現在の永住許可ガイドラインでは、日本人、永住者または特別永住者の配偶者について、実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、日本に引き続き1年以上在留している場合、原則10年の在留要件に関する特例が認められています。
わかりやすく言うと
- 実体を伴った婚姻生活が3年以上継続していること
- 日本に引き続き1年以上在留していること
この条件を満たしていれば10年間日本に住んでいなくても永住許可を申請できます。
しかし、今回報じられた改正案では、この特例を次のように延長する方針とされています。
- 実体を伴った婚姻生活が5年以上継続していること
- 日本に引き続き3年以上在留していること
日本の生活習慣を含めた制度への理解を要求 子どもの義務教育への就学状況
学齢期の子どもがいる家庭については、子どもを日本の小学校や中学校などに就学させているかどうかも審査対象になると報じられています。
正当な理由なく学齢期の子どもを就学させていない場合、日本社会への適応や保護者としての義務の履行という観点から、永住許可審査で不利に評価される可能性があります。
ただ、これは正直前から審査基準に入っていたかと思います。
在留期間
永住申請の際に求められる在留期間が今までは3年でよかったのですが、2027年4月以降は5年以上である必要があります。※下記画像赤丸部分に書いてある年数の事です。

いつから新しい基準が適用されるのか
一部報道では、収入などの経済要件については2026年10月から、それ以外の要件については2027年4月から適用する方向で検討されているとされています。
今後、政府による正式発表、ガイドラインの改訂、パブリックコメント、経過措置の有無などを確認する必要があります。
すでに永住許可を申請している人はどうなるのか
今後の大きな争点となるのが、新しい基準がどの申請から適用されるかという点です。
考えられる取扱いとしては、次のようなものがあります。
- 新基準の施行日以降に申請した案件から適用する
- 施行日前に申請した案件にも新基準を適用する
- 一定期間、旧基準による経過措置を設ける
どの取扱いになるかによって、現在申請中の人や、これから数か月以内に申請を予定している人への影響は大きく変わります。
※ちなみに朝日新聞の報道では、収入の水準については2025年4月以降に申請されたものについては遡及適用するとあります。
まとめ
今回報じられた永住許可ガイドラインの改正案が実施された場合、永住許可は単に「日本に長く住み、税金と年金を払っている」というだけでは取得が難しくなる可能性があります。
「平均年収」が具体的にいくらになるのか、年金受給見込み額をどのように計算するのか、日本語能力をどのような方法で確認するのか、申請中の案件に新基準が適用されるのかなど、重要な部分は今後明らかになると考えられます。
永住許可を検討している人は、報道だけで申請を諦めたり、反対に現行基準が今後も続くと判断したりせず、出入国在留管理庁から発表される正式なガイドラインと経過措置を冷静に確認することが重要です。
※本記事は、2026年7月25日時点の報道および出入国在留管理庁が公表している現行ガイドラインをもとに作成しており、永住許可の結果を保証するものではありません。
問い合わせ
LINE,Wechat,Whatsapp,お電話、入力フォーム、都合のよろしい方法でお気軽にお問い合わせください。
044-379-8319
※24時間以内にご返信いたします。






