日本で生活している中国・台湾・韓国などの方から、
「在留カードに漢字の名前を入れたい」
「現在はアルファベットだけですが、漢字も一緒に記載できますか?」
「在留資格の更新と一緒に漢字表記を追加できますか?」
といったご相談をいただくことがあります。
結論からいうと、本国で正式に漢字氏名を使用している中長期在留者の方は、一定の手続きを行うことで、在留カードに漢字氏名を併記することができます。
この記事では、在留カードに漢字氏名を併記する方法、必要書類、費用、オンライン申請をする場合の注意点などについて、2026年現在の制度をもとに行政書士が解説します。
- 在留カードの氏名は原則としてローマ字表記
- 在留カードに漢字氏名を併記できる人
- 在留カードに漢字を入れる方法は大きく2つ
- 手数料はいくら?
- 漢字氏名表記の必要書類
- 中国の簡体字や台湾の繁体字がそのまま記載されるとは限らない
- 「正字検索システム」で事前確認できます
- オンラインで在留資格を更新する場合は要注意
- 在留カードに漢字を入れるメリット
- 漢字氏名を併記した後に名前が変わった場合
- 市役所で登録する「通称」とは違う?
- 在留カード漢字氏名表記申出書は行政書士に依頼できる?
- Q.在留カードを漢字だけの名前にできますか?
- Q.在留資格の更新と一緒に漢字を入れる場合、追加料金は必要ですか?
- Q.更新まで待たず、今すぐ漢字入りのカードにできますか?
- Q.中国の簡体字をそのまま在留カードに入れられますか?
- Q.パスポートに漢字が書いていません。申請できますか?
- Q.オンライン更新でも漢字を追加できますか?
- まとめ
- 問い合わせ
- 044-379-8319
在留カードの氏名は原則としてローマ字表記
在留カードに記載される氏名は、原則としてパスポートなどに記載されているローマ字氏名をもとに表記されます。
例えば中国籍の方で、
LI XIAOLONG
というローマ字氏名と、
李 小龙
という漢字氏名を持っている場合、通常在留カードではまずローマ字氏名が表記されます。
しかし、中国・-韓国など、本国で正式に漢字氏名を使用している方については、本人から申し出ることにより、
李 小龍
LI XIAOLONG
のように、ローマ字氏名と漢字氏名を一緒に在留カードへ記載することができるのです。
在留カードに漢字氏名を併記できる人
対象となるのは、氏名に漢字を使用している中長期在留者です。
典型的には、
- 中国籍の方
- 台湾の方
- 韓国籍の方
などが考えられます。
ただし、国籍だけで判断するわけではありません。
重要なのは、本国においてその漢字氏名が正式な氏名として使用されていることを証明できるかどうかです。そのため、後述するパスポートや本国政府が発行した証明書などの提出を求められます。
在留カードに漢字を入れる方法は大きく2つ
在留カードに漢字氏名を追加する方法は、大きく分けると次の2つです。
① 在留資格の更新・変更などと一緒に申し出る
在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請など、新しい在留カードが発行される手続きと同時に、
「在留カード漢字氏名表記申出書」(ダウンロード:PDF|excel)
を提出する方法です。
入管では、例えば次のような手続きと一緒に漢字氏名表記を申し出ることができます。
- 在留期間更新許可申請
- 在留資格変更許可申請
- 在留資格取得許可申請
- 永住許可申請
- 在留カード有効期間更新申請
- 住居地以外の記載事項変更届出
- 在留カード再交付申請
- 難民認定申請
などです。
② 漢字氏名の追加だけを申し出る
在留資格の更新などを待たず、
「今すぐ現在の在留カードに漢字氏名を追加したい」
という場合も手続きすることができます。
この場合は、「交換希望による在留カードの再交付申請」として、新しい在留カードを発行してもらうことになります。
手数料はいくら?
2026年現在、手数料は手続方法によって異なります。
更新・変更などと一緒に漢字氏名を追加する場合
漢字氏名を併記すること自体についての在留カード発行手数料は無料です。
そのため、在留期限が近い場合などは、在留期間更新許可申請と一緒に申し出る方法が効率的です。
漢字氏名表記だけを追加する場合
現在持っている在留カードを交換し、漢字氏名入りの在留カードを発行してもらう場合には、
1,900円
の手数料が必要です。
これは「交換希望による在留カードの再交付申請」として扱われるためです。インターネット上の記事の中には、手数料を「1,600円」と説明しているものもありますが、2026年現在、出入国在留管理庁が案内している手数料は1,900円ですのでご注意ください。
漢字氏名表記の必要書類
在留資格の更新や変更などと一緒に申し出る場合、通常の在留申請書類に加えて、主に次の資料が必要になります。
1.在留カード漢字氏名表記申出書
出入国在留管理庁が指定している、
「在留カード漢字氏名表記申出書」(ダウンロード:PDF|excel)
を提出します。
申出書には主に、
- 国籍・地域
- 生年月日
- ローマ字氏名
- 在留カードへの記載を希望する漢字氏名
- 性別
- 申出人の署名
- 代理人に関する情報
- 申請取次者に関する情報
などを記載します。
2.本国で漢字氏名を使用していることを証明する資料
漢字を自由に選んで在留カードへ記載できるわけではありません。
その漢字氏名が、本国で正式に使用されている氏名であることを証明する公的資料が必要です。
例えば、中国籍の方でパスポートに漢字氏名が記載されている場合には、そのパスポートが資料となることがあります。
一方、パスポートに漢字氏名が記載されていない場合には、
- 家族関係証明書
- 住民登録に関する証明書
- 本国政府機関が発行した氏名を証明する書類
など、漢字氏名を確認できる公的資料を求められることがあります。
3.その他の在留手続に必要な書類
在留期間更新や在留資格変更と一緒に申し出る場合には、当然ながら、それぞれの在留申請に必要となる書類も別途提出します。
中国の簡体字や台湾の繁体字がそのまま記載されるとは限らない
特に注意していただきたいのが「正字」です。
出入国在留管理庁では、在留カードに使用できる漢字については法務省告示で定められた「正字」を使用することとしています。
そのため、中国で使用されている簡体字や台湾などで使用されている繁体字が、日本の在留カード上では別の漢字へ置き換えられることがあります。
つまり、本人が本国で使用している漢字をそのまま申出書へ記載したとしても、その文字が在留カードで使用できない場合には、対応する正字に置き換えられてしまうということです。
場合によっては本人が想定していた字形とは大きく異なる漢字になることもあります。
「正字検索システム」で事前確認できます
出入国在留管理庁では、「出入国在留管理庁正字検索システム」を公開しています。
このページを使えば自分が使用している簡体字・繁体字などが、在留カードではどの漢字に変換されるのかを確認することができます。漢字氏名の併記を希望する場合には、申請前に確認しておくと安心です。
オンラインで在留資格を更新する場合は要注意
現在は、在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請などをオンラインで行うケースも増えています。
ここで注意したいのが、オンライン申請と同時に在留カードへ漢字氏名を併記したい場合です。
出入国在留管理庁のオンライン申請Q&Aでは、漢字氏名の併記を希望する場合、
- オンライン申請時の在留カード受領方法を「窓口」にする
- 新しい在留カードを受領する際に地方出入国在留管理官署へ行く
- 窓口で「在留カード漢字氏名表記申出書」を提出する
という方法が案内されています。
つまり、通常のオンライン申請のように、「新しい在留カードを郵送で受け取る」という方法ができません。
在留カードに漢字を入れるメリット
日常的に使用する方の場合漢字氏名を在留カードに併記しておくことで、
- 日本国内で漢字氏名を公的に証明しやすくなる
- 住民票などの行政手続で漢字氏名を使用しやすくなる
- 日常的に使用している漢字氏名と公的書類上の氏名を一致させやすくなる
といったメリットがあります。
在留カードに漢字氏名が記載された場合、その漢字氏名も入管法上の「氏名」として扱われます。また、外国人住民の住民票についても、在留カード等の漢字氏名に合わせて取り扱われる仕組みとなっています。
漢字氏名を併記した後に名前が変わった場合
在留カードに漢字氏名を記載すると、その漢字氏名についても正式な氏名として扱われます。
そのため、結婚などにより漢字氏名に変更が生じた場合には、在留カードの記載事項変更に関する届出が必要になる可能性があります。単なる「通称」の登録とは扱いが異なる点には注意しましょう。
市役所で登録する「通称」とは違う?
在留カードへの漢字氏名併記と、市区町村で行う「通称」の登録は別の制度です。市区町村で通称を登録しただけでは、在留カード自体のローマ字氏名が漢字併記になるわけではありません。
在留カードそのものに漢字氏名を記載したい場合には、地方出入国在留管理局で在留カード漢字氏名表記申出を行う必要があります。
在留カード漢字氏名表記申出書は行政書士に依頼できる?
申請取次行政書士などを通じて手続きを行うことも可能です。
「更新申請と一緒に漢字を入れたい」、「オンライン申請済みだけれど漢字も追加したい」、「現在のカードを漢字入りに交換したい」「けど自分で行くのは面倒だ」といった場合には、行政書士に頼むのもありかもしれません。
よくある質問
Q.在留カードを漢字だけの名前にできますか?
できません。
在留カードはローマ字氏名の表記が原則であり、希望する場合にローマ字氏名に加えて漢字氏名を併記する制度となっています。
Q.在留資格の更新と一緒に漢字を入れる場合、追加料金は必要ですか?
漢字氏名表記を更新・変更などの在留カード交付を伴う手続きと一緒に申し出る場合、漢字併記に伴う在留カード発行手数料は無料です。
Q.更新まで待たず、今すぐ漢字入りのカードにできますか?
できます。「交換希望による在留カードの再交付申請」として手続きを行います。2026年現在の手数料は1,900円です。
Q.中国の簡体字をそのまま在留カードに入れられますか?
簡体字と日本で使用されている漢字は異なる形であることが多いです。
在留カードに使用できる漢字は法務省告示に定められた正字の範囲に限られているため、簡体字などは対応する正字に変換される可能性大です。
Q.パスポートに漢字が書いていません。申請できますか?
パスポート以外の公的資料によって、本国で正式に使用している漢字氏名を証明できれば手続きできる可能性があります。例えば家族関係証明書など、漢字氏名が記載されている本国政府発行の公的資料を準備することが考えられます。
Q.オンライン更新でも漢字を追加できますか?
可能ですが、注意が必要です。
入管の案内では、オンライン申請で漢字氏名併記を希望する場合、在留カードの受領方法を「窓口」とし、新しいカードを受領する際に「在留カード漢字氏名表記申出書」を提出する方法が示されています。
まとめ
漢字氏名の併記自体は比較的シンプルな手続きですが、在留期間更新や在留資格変更と同時に行う場合や、オンライン申請と組み合わせる場合には手続方法が少し分かりにくくなります。
とりかに行政書士事務所では、在留資格の更新・変更をはじめ、在留カードに関する各種手続についてもご相談を承っております。
「次回の更新時に漢字氏名を追加したい」
「オンライン申請で漢字氏名を入れたい」
「どの書類で漢字氏名を証明すればよいか分からない」
といった場合も、お気軽にご相談ください。
※本記事は2026年8月時点の出入国在留管理庁の公表情報等をもとに作成しています。制度や手数料は変更される可能性があるため、実際の申請時には最新情報をご確認ください。
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