こんにちは、宍戸です。
今回記事では、経営管理ビザのメリット、デメリットを紹介いたします。ざっくりとした説明にはなりますが、大まかなイメージを持ってもらえれば幸いです。
※経営・管理ビザは正確には「在留資格 経営・管理」と呼びます。しかし、経営管理ビザという呼称が一般に浸透しているようなので、このページでは「経営・管理ビザ」と記載しています。
経営管理ビザとは
経営管理ビザとは
日本で社長・経営者の仕事をしたい!
管理職の仕事をしたい!
という外国人の方が取るビザです。2014年4月以前は「投資経営ビザ」と呼ばれていました。
経営管理ビザのメリット
経営ができる
実は、経営管理ビザを取得することで日本で「経営」ができます。
当たり前だろ…
と思われるかもしれませんが、これは実は当たり前のことではありません。
経営とは
事業目的を達成するために、継続的・計画的に意思決定を行って実行に移し、事業を管理・遂行すること。また、そのための組織体。「会社を—する」 goo辞書より引用
「経営」とは幅広く、自由度の高い活動なのです。
ちなみに外国人の方が経営管理ビザなしで日本で経営を行うためには
・日本人の配偶者
・永住者の配偶者
・永住者
・定住者
いずれかである必要があります。
学歴・経歴の条件がない
他の就労系ビザでは、学歴や一定の経歴を要求されるものがほとんどです。しかし、経営ビザを申請する上で、それらは要求されません。(管理ビザでは一定の学歴や経歴などが必要)それゆえに
社長であれば申請できるよね?
お金があれば経営管理ビザは取れるんだよね?
という理解(間違い)をされている方も少なくありません。
経営管理ビザのデメリット
お金がかかる
経営管理ビザの要件の一つに
500万円以上の出資or日本に在住している常勤の職員二人以上雇用
と言うものがあります。
500万!!!!
日本人が会社を立てようと思った場合、資本金は1円でもOKです。しかし、外国人が会社を立てようと思った際には500万円ものお金が必要になるのです。
じゃあ500万円出資したくない俺はスマートに「日本に在住している常勤の職員を二人以上雇用」するぜ
という考えは…甘えです。
常勤とは週30時間以上の勤務を指します。
常勤の職員を雇うために必要なお金を簡単に計算してみましょう。
1162円(最低賃金の場合)×30時間×4(週)=139440円
+会社負担社会保険が大体20000円
+その他交通費や福利厚生、備品等の経費
=月一人頭20万円近くのお金
さらに人数が2人なので一か月40万…年間にしてなんと…480万!!
照らし合わせたかのように500万円近くになるではありませんか!!
やったぜ
つまり、どう転んでも500万円近くのお金は用意することになるのです。
本当にお金がかかる
先ほど、経営管理ビザ申請のためには500万円近くのお金が必要になると言いましたが…まだ終わりません。
経営ビザ申請のための条件の一つに、「会社を設立する」というものがあります。
そして、会社を設立するためには、事務所が必要になります。
法人、事業用の物件を借りたことのある方ならご存じかと思いますが、
オフィス・事務所の敷金・礼金・家賃は一般住居用の物件と比べ物にならないくらい高額です。
敷金・保証金6か月(家賃20万)
というインパクト。常人なら
面白いジョークだね(笑)
という感想と乾いた笑いしか出てこないはずです。(精神崩壊)
当然のことながら経営管理ビザが下りるまで(当然下りてからも)この家賃は払い続ける必要があります。
さらに追い打ちをかけるような事実として、経営管理ビザ申請の際には「会社事務所は自宅住所と分けなければならない」という決まりがありますので、自宅の賃貸契約も必要になる上、事務所とダブルで家賃を支払う必要があります。
※一軒家を借りて、それぞれ一階は事務所、二階は自宅、のようにすればOKの場合もあり。
ちなみにバーチャルオフィスもダメです。
また、会社の設立登記には、最低でも20~25万円のお金がかかります。
もうええでしょう…!!
用意するもの、事が多い
経営管理ビザ申請の為には事業計画書を始めとして、それに関連する書類など準備する書類が非常に多いです。
出資金500万にしても、その500万がどこから来たのかを証明する必要がありますし、従業員を雇うのであればその従業員に関する証明書類が必要になります。
また、業種によっては会社設立時に許可が必要になりますので、それらの許可や免許が必要になります。
審査に時間がかかる
令和6年7月~9月の経営管理ビザの標準処理期間(申請してから許可までにかかる平均日数)は118日でした。これは、他のビザに比べてかなり長い期間になっています。→参考
まとめ
経営管理ビザというものがどんなものか、また、その良いところと悪いところを簡単にまとめさせていただきました。
そもそも、会社と言うものは大きなお金を動かして、大きなお金を得るものですので、経営管理ビザに多くのお金がかかるというのは当たり前のことかもしれません。
しかし国をまたいで経営管理ビザを申請するというリスクを冒す以上、失敗のリスクは極力抑えていきたいですよね。
そんな時は、我々とりかに行政書士事務所まで気軽にお問い合わせください。あなたにとって最適な方法を提案します。
何卒引き続き当事務所をよろしくお願いいたします。
理解度チェッククイズ
- Q経営管理ビザは〇年〇月以前は「〇〇ビザ」と呼ばれていた。〇に入る言葉を答えよ。
- Q外国人が日本で経営を行うことができる在留資格を4つ挙げよ
- Q他就労系ビザなどで必要とされていて、経営管理ビザで要求されていない条件とは何か
- Q経営管理ビザの要件の一つ「〇円以上の出資or日本に在住している○○の職員○人以上雇用。」〇に入る言葉を答えよ。
- Q令和6年7月~9月の経営管理ビザの標準処理期間(申請してから許可までにかかる平均日数)は何日か