在留資格の処理期間(審査期間)について

経営管理ビザのご相談が多いこの頃・・・

何気に技能ビザの１４７日もすごい・・・！！(技能ビザは結構審査厳しい)ということで、

在留資格の審査期間について考察してみた

経営管理ビザの審査期間

※～令和５年は各年同時期(１０月～１２月)の集計での値

	認定	更新	変更
令和６年１１月	146.0	37.1	63.4
令和６年１０月	145.1	40.6	56.0
令和５年	90.5	36.3	68.4
令和４年	68.7	37.5	62.5
令和３年	89.8	30.8	46.4
令和２年	50.5	30.3	45.6
令和元年(平成31年)	92.9	37.5	55.9
平成３０年	85.1	29.5	52.8

経営管理ビザの場合、審査期間が長引くことの最大のデメリットは「お金がすごくかかること」です。

場合によっては、オフィス・自宅・事務所の空家賃を払い続けることになってしまったり、実際に事業を始める前にも従業員の給料などの支払いがあり、在留資格を取得するのに〇百万かかる・・・となることも全然珍しくありません。

技人国の審査期間

	認定	更新	変更
令和６年１１月	74.8	36.3	41.1
令和６年１０月	88.4	42.0	44.7
令和５年	59.8	31.2	35.1
令和４年	43.6	30.6	36.7
令和３年	38.4	30.4	37.5
令和２年	46.8	29.2	34.1
令和元年(平成31年)	55.3	31.0	34.3
平成３０年	39.2	28.0	31.1

母国から直接くる場合は、在留資格もないのでまだいいとしても、すでに日本にいて他の職場で他の在留資格を得て、勤務している場合や、留学ビザで在留している場合は、審査結果待ちという事で、就労できるまで、期間が長くなりすぎる可能性もあります。

日本人の配偶者等ビザの審査期間

	認定	更新	変更
令和６年１１月	74.0	43.9	41.0
令和６年１０月	77.2	44.1	41.2
令和５年	72.6	32.3	35.0
令和４年	51.1	31.0	39.6
令和３年	43.7	26.3	31.3
令和２年	51.5	31.1	32.1
令和元年(平成31年)	73.3	36.3	33.0
平成３０年	58.3	30.0	29.6

日本に既にいて、日本人との婚姻を済ませ、一緒に暮らしている人が、他の中長期の在留資格から変更の場合は、そこまで大きく生活は変わらないかもしれませんが(就労の制限などはありますが)、母国から直接の場合は、大きく変化します。

その大きな変化が起きるのか否か(許可が下りるのか否か)が分からない期間が長いという事は、精神的に不安が募る部分だと思います。

技能ビザの審査期間

	認定	更新	変更
令和６年１１月	147.7	34.5	40.4
令和６年１０月	116.6	37.0	40.8
令和５年	81.6	36.9	42.5
令和４年	68.8	32.5	54.6
令和３年	33.6	29.1	37.0
令和２年	38.2	28.6	33.1
令和元年(平成31年)	55.9	25.4	22.0
平成３０年	52.1	25.1	22.8

技能ビザも技人国と同様のデメリットがあります。

審査期間順に並べ替えると・・・？

さて、次は数年の審査期間の推移ではなく、在留資格別の期間の長さを比べていきましょう。

※令和６年１１月の公表データで認定のみで並べ替えしてみると・・・？(教授・芸術・宗教・報道・文化滞在・短期滞在・研修を除く)

在留資格	審査期間
技能	147.7
経営管理	146.0
家族滞在	105.3
高度専門職1号ハ	89.0
永住者の配偶者	82.4
企業内転勤	79.5
定住者	76.2
高度専門職1号ロ	75.5
技人国	74.8
日本人の配偶者	74.0
特定技能1号	58.6
特定活動	43.3
介護	43.1

その後、留学、技能実習、教育、研究、法律会計、と並び・・・一番短いのは「興行」となっていました。

興行はなんと約14日・・・！という事で、経営管理ビザや、技能ビザの10分の1程度の長さで審査が終わる・・・。という事でした。

この資料は「不許可であった場合」は除いて集計を取っているようです。

詳しくはこちら→入国管理局審査HP：審査期間

なぜこんなにも期間が違うのか？

このように10倍近く審査期間が異なる場合もある在留資格の申請。この差はどこにあるのでしょうか？

審査に必要な書類が多い

まず、審査に必要な書類や工程が多いことが挙げられます。

経営管理ビザに関しては、経歴など申請者本人に関することはもちろんの事、法人の設立にかかわる書類や、安定性を見るための事業計画、従業員を適切に雇用しているかなどの、申請者本人以外の事柄も多く見ないといけない審査となります。

また、技能ビザは「実務経験をいかに証明できているか」が大きなポイントとなります。資格や学歴だけでチェックできないものなので、母国の前就労先へのチェックなど、膨大な作業工程があります。

また、申請に必要な書類が多いという事は、「補正も出やすい」ということ。

それに加え配偶者ビザなどは、許可後就労などの制限が軽減されるためより厳しく審査されます。

申請している人数が多い

とくに経営管理ビザなどは、「日本を自分の事業の市場として見て」「可能性がある」と申請者が増えるわけですから、各国の情勢や経済状況により、申請者数が増減します。

それにより、入国管理局で受け持つ作業数も増え、審査期間が長引いているという推測も可能です。

特定技能も令和７年１月から審査期間が長引きます

新型コロナウイルスの流行が下火になった２０２２年３月に、感染拡大防止のために行っていた政策が緩和され、当時待機をしていたたくさんの技能実習生がいっきに日本に来日しました。

当時入国した技能実習生が現在、技能実習1号から技能実習2号になり、2号の期間も満了することから、2025年1月から4月にかけて、技能実習2号から「特定技能1号」へ変更する外国人が増えることが予想されています。

それに伴い、審査機関が大幅に長くなる・・・とのことです。

詳しくはこちら→入国管理局のHP

申請時のポイント

1. 申請する前に不備を出さないために入念に書類をチェックする。
2. 在留期間が来てしまうまでに書類が揃えられない可能性があるときは、特定活動を視野に入れて動くこと。
3. オンラインシステムを利用すること。