自社支援に切り替えということは・・・
登録支援機関に委託しない=
支援業務+法的責任+証拠管理+リスク管理をすべて企業が負う
という意味です。
ここでは「実際に企業がやらなければならないこと」を解説します。
① まず理解すべき前提
自社支援=「支援をやる」ではなく
- 支援計画の作成
- 支援の実施
- 証拠の保存
- 入管への報告
- 適正性の継続担保
までがセットです。

ちゃん
支援を実施した“つもり”では足りません。
証拠が残っていなければ「未実施」と同じ扱いになり得ます。
② 受入れ前に必要になること
1. 支援体制の整備
● 支援責任者の選任
- 常勤役職員
- 過去5年以内に出入国・労働法違反がない
- 受入れ適格性に問題がない
● 支援担当者の選任
- 外国人と直接連絡可能
- 中立性の確保(直属上司は原則避ける)
- 母国語対応体制(通訳外注可)

ちゃん
名前だけ置くのはNG。実働できる体制が必要です。
2. 支援計画書の作成
記載すべき内容
- 生活オリエンテーションの具体的実施方法
- 面談の頻度・方法
- 日本語学習支援の方法
- 相談受付方法(時間・窓口)
- 送迎方法
- 住居支援方法

ちゃん
これは形式書類ではありません。
「実施する予定です」レベルでは不十分で、実際に実施をし、その証拠を残しておくことが重要です。
③ 入社前〜入社直後に必要な実務
1. 事前ガイダンス(対面 or オンライン)
説明必須事項・・・・
- 業務内容
- 報酬額(控除含む)
- 労働時間
- 社会保険
- 退職時の取扱い
- 支援内容
✔ 母国語で説明
✔ 説明記録を保存
✔ 説明資料も保存

ちゃん
これがないと後のトラブルが起こりがちです。
2. 入国時対応
- 空港送迎(原則)
- 住居までの移動
- 当面の生活物資支援

ちゃん
送迎未実施は指摘対象になる可能性があります。
④ 生活支援の具体的実務
1. 住居確保支援
企業がやること・・・
- 物件紹介
- 契約手続補助
- ライフライン開通支援
- 保証人問題の対応
物件紹介したのみでは足りません。
2. 公的手続同行
同行 or 実質的支援も必要
- 住民登録
- マイナンバー
- 国民健康保険(または社保)
- 年金
- 銀行口座
3. 生活オリエンテーション(8時間以上推奨)
説明事項・・・・・
- ゴミ出しルール
- 病院の行き方
- 災害対応
- 交通ルール
- 税金
- 犯罪防止 など
☑実施記録作成
☑参加署名取得
☑資料保存
⑤ 継続支援(最も重要)
1. 定期面談(3か月に1回以上)
面談相手・・・・
- 本人
- 直属上司
確認内容・・・
- 労働条件
- ハラスメント
- 未払い賃金
- 生活困難
- 転職希望有無

ちゃん
面談記録必須で、テンプレではなく具体記録が必要です。
2. 相談対応体制
- 母国語対応可能か
- 緊急連絡体制
- 夜間対応どうするか

ちゃん
面談記録必須で、テンプレではなく具体記録責任者・担当者が日本語しかできない場合は、通訳者も準備しましょう!が必要です。
⑥ 届出
1. 定期届出(年1回)
提出内容・・・・・
- 支援実施状況
- 面談実施記録
- 報酬支払状況
- 受入状況 など
2. 随時届出(14日以内)
対象例・・・・・・
- 契約変更
- 退職
- 支援計画変更
- 支援責任者変更
- 法令違反発覚 など

ちゃん
これを忘れると受入停止リスクが高まってしまいますので気をつけましょう!
⑦ 証拠管理(監査対策)
保存すべきもの・・・・・
- 面談記録
- 支援実施記録
- 送迎記録
- 相談記録
- 日本語支援記録
- 届出控え
- 雇用契約書 など

ちゃん
保存期間は少なくとも5年推奨します。
⑧ よくある失敗例
● 面談が形骸化
● 母国語説明をしていない
● 記録を作っていない
● 随時届出漏れ
● 支援担当者が機能していない
結果
→ 在留更新不許可
→ 改善命令
→ 受入停止
⑨ 自社支援に向いている企業
- 複数名受入れている
- 管理部門が強い
- 書類管理に慣れている
- 将来も継続的に外国人雇用予定
行政書士目線で見る「自社支援」の落とし穴
「登録支援機関に払う月額費用がもったいない」
「自社でやればコスト削減になる」
確かに自社支援は可能です。
しかし、行政書士として実際の相談や不許可事例を見ていると、
“やれているつもり”が一番危ないと感じます。

ちゃん
ここでは、制度説明ではなく
実務で本当に起きている落とし穴をお伝えします。
落とし穴① 「支援をやっている」=「これだけで適法」ではない。
企業の方がよく言います。
面談もしています
生活説明もしました
困ったら相談に乗っています
しかし入管が見る(確認できる過去)のは
- 実施した事実はあるか?確認できるか?
- 記録があるか?確認できるか?
- 内容が具体的か?
- 継続的に実施されているか?
よくあるNG例
- 面談記録が「問題なし」だけ・・・
- 生活オリエンテーションの記録がない・・・
- 母国語説明の証拠がない・・・
- 相談窓口が実質機能していない・・・
更新申請時にこれが発覚すると、
- 追加資料要求
- 審査長期化
に繋がります。
落とし穴② 随時届出を甘く見ている
特定技能は「14日以内の届出」が多い在留資格です。
- 雇用契約変更
- 退職
- 支援責任者変更
- 支援計画変更
- 法令違反発覚
これを1つでも漏らすと
改善指導
受入停止
欠格事由該当の可能性
が指摘される可能性があります。
落とし穴③ 支援責任者が名義だけになっている
自社支援では
- 支援責任者
- 支援担当者
を選任しますが、
実際は現場が全部対応
責任者が内容を把握していない
面談をしていない
というケースが非常に多いです。
これは監査で指摘されやすいポイントです。
落とし穴④ 面談が“形式化”している
定期面談は3か月に1回以上。
しかし実際は
- 上司の前で実施している
- 本音を聞けていない
- ハラスメントを把握できていない
この状態で問題が表面化すると、企業の管理体制そのものが問われます。
落とし穴⑤ 支援計画書を軽く考えている
支援計画は「提出用の紙」ではありません。
入管は
実施可能な内容か
具体性があるか
実際に履行されているか
を見ます。
計画と実態がズレていると「虚偽計画」と判断される可能性もあります。
落とし穴⑥ 退職時対応を想定していない
特定技能は転職可能な在留資格です。
非自発的離職の場合、企業は
- 転職支援
- 情報提供
- 必要書類作成
まで対応義務があります。
これを怠ると、企業側の評価に影響します。
落とし穴⑦ 書類保存がバラバラ
監査や更新時に必要になる書類・・・
面談記録
支援実施記録
送迎記録
相談対応記録
届出控え
賃金台帳 など
これが整理されていない企業さんや、更新直前に慌てるケースはとても多いです。
自社支援の本当の難しさは
「支援業務」もさることながら・・・法的リスク管理と証拠管理です。

ちゃん
制度は年々厳格化しています・・・!
では、自社支援はやめた方がいいのか?
いいえ。
自社支援が向いている企業もあります。
複数名を継続的に受入れている
管理部門が強い(事務スタッフを複数雇用できている)
書類管理が得意
将来も外国人雇用を続ける予定
このような企業は、
自社支援の方が合理的な場合もあります。
ここで行政書士ができること

ちゃん
自社支援=すべて丸投げしてはいけない、ではありません。
例えば・・・・・
■ 支援体制チェック
■ 支援計画の作成サポート
■ 面談記録フォーマット整備
■ 届出スケジュール管理設計
■ 更新前の監査対策チェック
■ 書類管理体制の整備
など、
部分的なサポートも可能です。
「完全委託」か「完全自社」かの二択ではありません。
結論
自社支援は
“コスト削減策”ではなく
“法的責任を自社で担う選択”
です。
制度を理解せずに始めると、
将来的に受入停止という大きなリスクになります。

ちゃん
だからこそ、始める前に
一度、制度とリスクを整理することが重要です。
自社支援&特定技能2号変更のサポートをしています!
自社支援は可能ですが、制度を誤ると将来的に受入停止や更新不許可につながるリスクがあります。
とりかに行政書士事務所では・・・
- 自社支援切替え前のリスク診断
- 支援体制の法的チェック
- 届出・記録管理体制の設計
- 特定技能2号への変更申請サポート
を行っています。

「今の体制で本当に大丈夫か不安」
「2号移行を見据えて確実に進めたい」
そのような場合は、早めのご相談をおすすめします。
