政府が「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」を閣議決定し、これにより、外食産業での外国人雇用の現場において、これまで幅広く認められてきた「技術・人文知識・国際業務(技人国)」ビザの使い方が大きく見直されることになりました。

店舗での接客やシフト管理も技人国でOK

とされていたケースがありましたが、今回の方針転換によって

現場業務は特定技能ビザで行うべき

という考え方が明確に示されています。

審査や在留管理はこれまで以上に厳しくなる見込みです。

なぜ審査が強化されるのか?

これまで外食業では、外国人留学生や外国人社員が「店長候補」「店舗管理担当」として技人国ビザで採用される例が数多く見られました。しかし、実際には一日の大部分を接客や調理などの現場作業に従事しているケースも多く、入管側はこれを「資格に合致しない活動」として問題視してきました。

政府は以下の流れで審査強化に踏み切っています

  1. 現場で技人国が使われる実態が常態化
  2. 特定技能制度が現場作業をカバーする形で整備・拡充
  3. ガイドラインによる働き方の区別が明文化
  4. 「総合的対応策」で審査強化が正式に決定

こうした背景から、現場での実務が主な業務内容である場合は、特定技能への切り替えが必須となってきています。


「店舗管理」は本当に技人国で認められるのか?

今回の見直しで特に注目されているのが「店舗管理業務」の取り扱いです。店舗管理は特定技能2号の仕事であり、「学術的な素養を必要とする業務」とはみなされなくなりました。

これは特定技能2号の仕事であり、「学術的な素養を必要とする業務」とはみなされなくなりました。

以前は例えば「シフト作成」や「食材発注」などを店長業務として技人国で申請しても許可が出ることがありました。しかし、新しい運用ではこうした業務は高度な専門知識が必要な管理業務とはみなされず、基本的に現場業務として扱われるようになっています。

そのため、これまで技人国で申請していた業務が「実務(現場)」と判断されるリスクが高まり、更新申請や在留資格の変更時にはより厳密な審査が行われることになります。

技人国と特定技能の役割分担

今回の方針では、以下のように活動内容ごとの区分がより明確になっています:

特定技能1号・・・

飲食店の現場スタッフ(接客・調理・清掃等)

特定技能2号・・・

店舗のリーダーや店長クラス(人材育成や店舗運営責任者)

技人国・・・・

本社や複数店舗を統括する管理・企画職(エリアマネージャー等)

つまり、「現場中心の仕事」は特定技能で対応するというのが今後の審査基準です。


大卒留学生の場合はどう対応するべき?

大学卒の留学生を採用した企業では、

いずれは本社で働かせるために現場で働いてもらいたい!

という場合は今までは現場からスタートさせることがありました。

しかし、

  • 研修期間が明確
  • 研修内容が明確
  • 日本人の新人も同様に現場の研修から始める

などの客観的証拠がないと現場業務を技人国で行わせることは認められにくくなりつつあります

そのため、現段階では特定技能で採用し、将来的に役割が変われば技人国に切り替えるという方針が安全です。

今後の対策

  • 2026年以降、審査はこれまで以上に厳格化される
  • 特に「現場業務」は「店舗管理業務であっても」特定技能で行うべきと運用が変わった
  • 技人国ビザでの申請が従来より難しくなる可能性大
  • 企業側は現状のビザと実際の仕事内容を見直し、必要に応じて特定技能への切り替え対策を進めることが重要

外食業における在留資格の選択は、今後ますます慎重な判断が求められます。
現在のビザ内容と実際の業務が適合しているか、一度専門家に確認されることをおすすめします。

技人国から特定技能への切替えや、新規採用の在留資格設計については、とりかに行政書士事務所までお気軽にご相談ください