素行善良要件とはそもそも何か
永住権には「素行善良要件がある」ってよく聞くけど、いったいどのようなものなのでしょうか?
永住許可について調べるとよく耳にする言葉ですよね!
ではこの記事では、素行善良要件を深堀してご紹介していきます!
素行善良要件は誰が満たす必要があるか
誰が満たす必要がある?
素行善良要件は永住許可を取得したい外国人のうち、日本人の子、日本人の配偶者、永住者の子、永住者の配偶者、特別永住者の子、特別永住者の配偶者以外の者が満たさなくてはいけない要件です。
日本人・永住者・特別永住者の配偶者と子が永住許可を取得したいときには要件にならないのです。※難民認定を受けている外国籍の方は、素行善良要件は満たす必要があります。
素行善良要件とはどんな要件なのか
素行善良要件とは…
日本で生活をしていくのに、法律を遵守して、住民として社会的非難をされることのない生活を送っていること・・・を意味します。ちなみに、【素行が善良である】というには、申請人とその家族全員が以下の3つどれにも当てはまらないことを求められます。
素行善良要件を満たさない場合とは
日本の法令に違反して懲役・禁固・罰金に処せられた場合
それぞれの用語について(参考:Wikipedia)
法令・・・「法令」という語は、一般には「法律」(国会が制定する法規範)と「命令」(国の行政機関が制定する法規範)の総称である。しかし、もろもろの法規では、法律と命令のほか、憲法や条例、規則(地方公共団体が制定する法規範)、最高裁判所規則(最高裁判所が制定する法規範)、訓令(上級官庁が下級官庁に対して発する命令)などを含めて「法令」と呼ぶこともある。
懲役・・・自由刑に作業義務の区分がある法制度において所定の作業義務を課すことを内容とする刑罰である。懲役刑は刑務作業を刑罰の内容とし、作業義務の有無により禁錮や拘留と区分している。
禁固・・・自由刑に作業義務等による区分を設けている法制度において作業義務を科さない刑罰のうち長期のものである。作業義務のある懲役、作業義務を科さず短期の拘留と区分する。
罰金・・・、行為者から強制的に金銭を取り立てる財産刑である。
日本の法令に違反して懲役・禁固・罰金に処せられていないことが求められますが、例外もあります。
1 禁錮以上の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで10年を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。罰金以下の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで5年を経過したときも、同様とする。
2 刑の免除の言渡しを受けた者が、その言渡しが確定した後、罰金以上の刑に処せられないで2年を経過したときは、刑の免除の言渡しは、効力を失う。
上述の刑法34条の2に該当する者は、【素行善良要件】の【日本の法令に違反して懲役・禁固・罰金に処せられた】ものに該当しない取り扱いになります。
つまり・・・刑法34条の2の刑の消滅の規定の適用を受けるものや、執行猶予の期間を経過したものは、【日本の法令に違反して懲役・禁固・罰金に処せられた】ものとして扱われないものとされます。
日常生活・社会生活において、違法行為・風紀を乱す行為を繰り返ししている場合
上述した懲役などに該当しない比較的軽微な法令違反であっても、それが
- 繰り返し行われている
- 地域社会に多大な迷惑を及ぼす
等の場合は、素行善良とは認められないことが有ります。
交通違反でも、繰り返し行うと永住権が取れないって聞いたことがあります!
そうです!
道路交通法違反にはいくつものルールがあり点数制度(参照:警視庁HP)があります。その中でも一番軽微な1点減点されるケース(例:座席ベルト装着義務違反や最低速度違反)でも繰り返し違反している場合は永住許可が下りない可能性があります。
また、明らかな故意や、重大な違反(例:無免許運転や飲酒運転、20キロ以上オーバーのスピード違反)では少ない回数でも永住許可が下りない可能性があります。
少年法の保護処分が継続している
家庭裁判所は、前条の場合を除いて、審判を開始した事件につき、決定をもつて、次に掲げる保護処分をしなければならない。ただし、決定の時に14歳に満たない少年に係る事件については、特に必要と認める場合に限り、第3号の保護処分をすることができる。
- 保護観察所の保護観察に付すること。
- 児童自立支援施設又は児童養護施設に送致すること。
- 少年院に送致すること。
永住許可申請者の家族が、上記の1または3が継続中の場合は永住許可が下りなくなる可能性があります。自分は大丈夫でも、子供が問題を起こし保護処分になってしまった外国籍の方が該当する可能性があります。
いかがだったでしょうか?
全く身に覚えがなく、不安なく要件を満たすことが出来る人もいれば、「だめかもしれない・・・」と心配になる人もいるのではないでしょうか?
日本に永住するということは、当然大きな責任を負うということも覚悟しなくてはならないんですね!
理解度チェック
- Q素行善良要件を満たすためには法律のほか条例も遵守することが求められる。
- Q申請者が要件を満たしていれば、家族が資格外活動などの違法行為をしていても永住許可の審査には影響はない。
- Q万引きを繰り返していた場合、有罪になっていなければ永住許可の審査に影響はない。