国益適合要件とはどんな要件なのか
申請者である外国人の永住が「日本の国益になる」と認められること。
「外国人の永住が国益を反しない」という消極的な考え方だけではなく「積極的具体的に国益になるものである」ことが必要です。「日本の国益になる」と認められるには、以下の要件を満たしていることが必要です。
国益適合要件
- 原則として10年以上日本に在留していること。そしてこの10年の間のうち5年以上の期間、継続して一定の在留資格を持って日本に滞在していること。
- 公的義務を果していること ←イマココ
- 最長の在留期間を認められていること
- 公衆衛生上の観点から有害となる恐れがない事
- 公益を害する恐れがない事
今回は永住許可に必要な要件である「国益適合要件」のうち上記の
2番【公的義務を果していること】を解説していきます。
なんだか難しそうですね・・・
公的義務とは
外国人が日本で滞在するために必要とされる公的義務には、様々なものがあります。
入管法に定める届出義務
住所の変更、氏名の変更、所属機関の変更、離婚、死別などの届け出をすること。
納税義務
永住者・・・日本国内と海外で生じた全ての所得
居住者・・・日本国内で生じた所得と、海外で生じた所得で、日本国内で支払われたものや海外から日本へ送金されたもの
非居住者・・・日本国内で生じた所得
に対する税金を納めることです。
公的年金・公的保険など社会保険の保険料の支払い
厚生年金国民年金など、健康保険、国民健康保険などが該当します。これらの保険料の未納が判明すると許可取得が難しくなってしまうので気を付けてください。
どのくらいの期間をチェックされるのか?
公的義務が確認される期間は以下の通りですが、以下の期間内に未納金があり不許可になってしまった後、急いで納付して「再申請」をしたとしても「未納だった」という事実が消えるわけではありません。
地方税
原則 申請時からさかのぼり直近5年間の履行をチェックされます。
例外のある人
日本人・永住者・特別永住者の実子や特別養子 | 申請時から直近1年間 |
日本人・永住者・特別永住者の配偶者や養子 | 申請時から直近3年間 |
高度人材で1年以上滞在の外国人で80点以上 | 申請時から直近1年間 |
高度人材で3年以上滞在の外国人で70点以上 | 申請時から直近3年間 |
日本に貢献したと認められた者の一部の者 | 申請時から直近3年間 |
医療保険・年金
原則 申請時からさかのぼり直近2年間の履行をチェックされます。
例外のある人
日本人・永住者・特別永住者の実子や特別養子 | 申請時から直近1年間 |
高度人材で1年以上滞在の外国人で80点以上 | 申請時から直近1年間 |
自分でできる届け出は全部やってはいるけど・・・年金や社保は会社手続きしていたりするし、どうなっているんだろう?
実はここは会社の協力が必要なところなんです。
会社に言い出しにくかったり、どうすべきかわからないということがあれば、是非ご相談ください!
理解度チェック
- Q未納期間があっても審査が終わるまでに納付すれば、許可の審査に影響はしない。
- A
答えは×。未納だった期間があったことは審査に影響があります。
- Q民間の保険会社の医療保険に入らなければいけない。
- A
答えは×。審査に影響があるのは公的な保険の保険料支払い義務です。
- Q日本人の配偶者の場合は、年金保険料支払い義務は免除される。
- A
答えは×。3号被保険者(主婦年金)の場合、自身の納付は不要ですが、そうでなければ納付が必要な可能性があります。日本人の配偶者だからと言って免除されるわけではありません。