
こんにちは、宍戸です。
経営管理ビザ申請の際に要求される条件が大幅に厳しくなりそう!
既にニュースなどでご覧になっている方もいるかと思いますが、今後経営管理ビザ申請の際の条件がほぼほぼの確率で厳格化されます。
現行のものと比較しつつ紹介いたしますので、お役に立てば幸いです。
現行の条件との比較
まだ省令案が出された段階ですが、以下のように変更される可能性があります。
条件 | 現在 | 今後 |
---|---|---|
資本金 | 500万円 | 3000万円 |
常勤職員 | 不要(500万円用意すれば) | 1名以上 |
経歴 | 経営者は不要 (管理者は3年以上) | 3年以上の経営経験、学歴が必要 |
事業計画書 | 自作のものを出せばOK | 中小企業診断士による確認 |
いつから運用?
現在は省令案の段階ですが、意見公募を経て2025年10月中旬から実施される見込みです。
そもそも何故条件が変更されることとなったのか?
大前提として、何故このように条件が厳格化されることになったのでしょうか?
理由.1 法律が古い
経営管理ビザに関する法令は2000年頃に制定されたもので、現在の社会経済状況と乖離が生じていました。
理由.2 諸外国との水準差
類似のビザを諸外国で取得する場合、例えば韓国では資本金3000万円以上、アメリカでは1億円以上が必要です。日本は基準が低く、国際的な整合性を欠いていました。
理由.3 移住目的での利用が多い
経営管理ビザは本来「日本で経営を行うため」のものですが、学歴・経歴要件がないことから、技術・人文知識・国際業務ビザや高度専門職ビザの条件を満たさない外国人が「日本に住むこと」を主目的に申請するケースが目立っていました。
条件厳格化によるメリット
メリット.1 不法滞在、資格外活動などの予防
経営活動を行わず、実際には移住目的で滞在するケースを減らすことができます。結果として、日本社会にとっても、当人にとっても望ましくない状況を回避できます。
メリット.2 管理・審査のコストカットと審査の質が上がる
申請件数が減ることで、一件ごとの審査に時間をかけられるようになり、より適切かつ丁寧な審査が可能になります。
条件厳格化によるデメリット
デメリット.1 若い起業家の参入障壁
日本文化を愛し、起業家精神を持つ若い外国人にとっては、資金や要件のハードルが高くなり、日本での挑戦が難しくなります。これによる人材流入の機会損失は無視できません。
デメリット.2 資金力のある移住希望者は依然として来日可能
資本金3000万円や常勤職員の条件を設けても、資金力のある外国人は難なく条件を満たせます。しかし、その場合でも経営活動が形式的にとどまる可能性があり、今回の改正がどの程度実効性を持つかは疑問も残ります。

また何か追加の情報がありましたらお伝えいたします!
引き続きとりかに行政書士事務所を宜しくお願い致します。