トリは自由の象徴、カニは繁栄の象徴、犬は癒しの象徴、ネコは・・・なんでしょう・・。

ここだけの話になりますが・・・トリカニ兄弟は無類の動物好きです。

特に犬猫に仕事で携わることが出来たらなんて…想像するだけで震えますね。

ぜひ受任させてほしい!という気持ちではありますが、動物取扱業の登録というのは申請自体は
「自分では出来ない!」というほど難しいものではないのです。

ということで、営業開始までの費用を抑えたい方は、是非ご自身で申請する際の参考にしてみてください。


まず初めに、知っておきたい「動物愛護管理法」

動物に関係する多くの権利義務の根拠となる法令は「動物愛護管理法」です。この記事をご覧になっている皆様なら、一読されたことがあるのではないでしょうか?正式名称は動物の愛護及び管理に関する法律といい、この法律には、動物取扱業者だけでなく、飼い主や社会も含め、どのような倫理観をもち、動物と生きていくかの心得なども定められています。

この法律の基本原則は以下の通り。

動物愛護法(基本原則)第二条 

 動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。

 何人も、動物を取り扱う場合には、その飼養又は保管の目的の達成に支障を及ぼさない範囲で、適切な給餌及び給水、必要な健康の管理並びにその動物の種類、習性等を考慮した飼養又は保管を行うための環境の確保を行わなければならない。

一項、二項ともに動物を愛する方であれば当然だと思うような事が書かれていますが、わざわざ書かなくてはいけなかった経緯や理由があったのかと思うと悲しい気持ちになりますね。


その他にも動物愛護法は以下のことが定められています。

動物の所有者又は占有者の責任・義務
動物販売業者の責任・義務・規制
特定動物(人に危害を加える可能性のある動物)の飼育や保管の許可
犬及び猫等の管理

動物取扱業って?

動物取扱業は読んで字のごとく【動物を取り扱う事業者】のこと。個人もいれば法人もいます。大きく分けると動物を取り扱う業種(動物取扱業)は二種類に分けることができます。根拠となる条項は以下の通りです。

動物愛護管理法第10条(第一種動物取扱業の登録)
動物愛護管理法第24条の2の2 (第二種動物取扱業の届出)

 飼養施設を設置して動物の取扱業(動物の譲渡し、保管、貸出し、訓練、展示その他第10条第1項の政令で定める取扱いに類する取扱いとして環境省令で定めるもの(以下この条において「その他の取扱い」という。)を業として行うことをいう。以下この条及び第37条の2第2項第1号において「第二種動物取扱業」という。)を行おうとする者(第10条第1項の登録を受けるべき者及びその取り扱おうとする動物の数が環境省令で定める数に満たない者を除く。)は、第35条の規定に基づき同条第1項に規定する都道府県等が犬又は猫の取扱いを行う場合その他環境省令で定める場合を除き、飼養施設を設置する場所ごとに、環境省令で定めるところにより、環境省令で定める書類を添えて、次の事項を都道府県知事に届け出なければならない。

  • 一種・・・営利目的(トリミングサロン・ペットショップ・ホテル・トレーニングなど)→登録が必要
  • 二種・・・非営利目的(野良猫の保護活動など)→届出が必要

ここでは需要の高い「第一種動物取扱業」について説明しようと思います。

第一種動物取扱業とは、

仕事として、動物(産業動物や実験動物を除く哺乳類・鳥類・爬虫類)の販売、保管、貸出し、訓練、展示、競りあっせん、譲受飼養を営利目的で行う者のことです。

上記の営業を行う場合、動物愛護センターや健康福祉局保健衛生部生活衛生課や動物愛護管理班などに(地域により窓口や名称が異なります。)登録の申請をし、必ず「登録」をうけなければなりません。

どんなことを「登録」するの?

第1種動物取扱業者が登録しなくてはいけない事項

⑴ 氏名又は名称及び住所並びに法人の場合は代表者の氏名

⑵ 事業所の名称・所在地

⑶ 事業所ごとに置かれる動物取扱責任者の氏名

⑷ その営もうとする第一種動物取扱業の種別とその種別に応じた業務の内容及び実施の方法

⑸ 主として取り扱う動物の種類及び数

⑹ 動物の飼養又は保管のための施設を設置しているときは、次に掲げる事項

  •  飼養施設の所在地
  •  飼養施設の構造及び規模
  •  飼養施設の管理の方法

その他にも都道府県や環境省が定めた事項を登録しなくてはいけません。

それにプラスして、犬もしくは猫販売販売のための繁殖を行う事業者下記の情報も登録が必要です。

⑴ 販売の用に供する犬猫等の繁殖を行うかどうかについて

⑵ 販売の用に供する幼齢の犬猫等の健康及び安全を保持するための体制の整備、販売の用に供することが困難となつた犬猫等の取扱いその他環境省令で定める事項に関する計画(犬猫等健康安全計画といいます)


第一種動物取扱業の種類って?

行う予定の事業により、登録をしなくてはいけない動物取扱業の種類が7つの区分に分かれてあります。

販売動物の販売を目的とした繁殖や輸出入を行う業(その取次ぎや代理も含みます)ペットショップ・ブリーダー・お祭りでのひよこ売りなど
ペットショップに卸すために動物を買い付ける事業者など
保管保管を目的に顧客の動物を預かるペットホテル・預かり行うトリミング事業者・シッター
貸出し様々な目的で動物を貸し出すペットタレント事務所や、繁殖用に動物を貸し出す事業者など
訓練動物を預かったうえで動物に訓練を行う動物のトレーニングを行う事業者
展示動物を展示したり、ふれあいを提供する動物園・サーカス・乗馬施設・アニマルセラピー
競りあっせん動物の売買をする者をあっせんする会場を設けて行うペットオークション
譲受飼養動物を譲り受けて飼養する業老いた動物を引き取り使用する老犬ホームなど

ご自身のしたい事業にあった種類の登録が必要です。

第一種動物取扱業の登録の効果って?

上記の行為(動物(産業動物や実験動物を除く哺乳類・鳥類・爬虫類)の販売、保管、貸出し、訓練、展示、競りあっせん、譲受飼養)を

営利目的をもって行うことができます

逆を言うと、登録を経ないでこれらの行為をすることは許されず、登録をせずにこれらの行為を行うと、罰則があります。

つまり、動物に対し、虐待行為や実際に傷つけなくても、金銭と引き換えに動物を譲渡したり、繁殖させたり、貸し出したり、預かったりすることは、法律に違反していて罰則を受ける可能性があるということです。

めるお

善意であったとしても、そういった話を持ちかけられたら、安易に承諾せず、お近くの愛護センターなどに相談することが大切です。