バー、キャバクラ、性風俗特殊営業(いわゆるソープ)などは風俗営業と呼ばれ、それらは風営法の対象となります。
風俗営業は、個性のある業態です。
風俗営業の全体像を掴み、自分が何をやりたいのか、どんな許可が必要なのか、この記事がそれらの疑問に対するヒントになれば幸いです。
飲食店と風俗営業店の線引き
飲食店と風俗営業店の線引きの要になるのは主に、「接待の有無」「部屋(個室)の広さ」「部屋の暗さ」「射幸心」の4要素です。
自分が始めたいと思っているお店が「普通の居酒屋」だと思っていても、この4つの要素のいずれかに該当すれば「風俗営業店」となる可能性が出てきてしまいます。
たとえば・・・オーセンティックなお洒落な暗めのバーや、しっぽり飲める個室の居酒屋、ダーツバーなどの開業を目指している場合は、注意が必要です。
風俗営業許可とは?
大きなくくりとして、風俗営業というのは2つに大別されます。
まず、性風俗か否か。
今回は性風俗以外の風俗営業許可のお話をしたいと思います。
第1号営業(社交飲食店)《接待》
スナック・キャバクラ・ホストクラブなどが社交飲食店に該当します。
客の接待をして、客に遊興又は飲食をさせる営業のことです。
※お客様と談笑したり、お酌したり、カラオケのデュエットをしたり、ダンスを踊るのも接待にあたるとされています。
よく、
うちは女の子が横に座らないからセーフ。カウンター越しにしてるよ!
というスナックがありますが、お酌をしていたりデュエットしたりしていますと、やはり「接待」に該当します。
第2号営業(低照度飲食店)《明るさ》
バーや喫茶店など、客に飲食をさせる営業で、照度を10ルクス以下として営業するもの、が該当します。(1号に該当する営業を除きます。)
※10ルクスとは、「ギリギリ手元の本が読める暗さ」だとか「上映前の映画館の暗さ」なんていわれたりしています。光源の明るさは同じでも壁紙の色などで実際感じる暗さなどはかなり変わってくるため、分かりにくいかもしれません。
第3号営業(区画席飲食店)《広さ》
喫茶店、バー、その他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、他から見渡すことが困難で、かつ、その広さが5平方メートル以下である客室を設けて営業するもの、が該当します。
※隠れ家的居酒屋などで、ドアや壁のある個室で、その個室が一定広さを越えない場合、「区画席飲食店」に該当する可能性があります。
ネットカフェや、狭い個室居酒屋などがそうです。
区画席飲食店にしないためには、見通しのとれる壁に変えたり、ドアを外した個室にする必要があります。
第4号営業(マージャン店・パチンコ店等)《射幸心》
麻雀店やパチンコ屋その他設備を設けて客に射幸心をあおる射幸心を煽るおそれのある遊技をさせる営業が該当します。
第5号営業(ゲームセンター等)《射幸心》
スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心を煽るおそれのある遊技に用いることができるものを備える店舗その他これに類する区画された施設において当該遊技設備により客に遊技をさせる営業が該当します。(4号営業に該当する営業を除く。)
その他、動物(哺乳類等)の展示がある場合、「動物取扱業」、有償で送迎をする場合は「運送業」などをサービスに合わせ、同時に取得すべき許認可が増えます。
深夜0時を越える営業について
風俗営業許可を取得することで接待を伴う営業を法律に違反すること無く行えるようになります。
ただし、深夜0時以降に営業を行うためには「深夜営業許可」が必要となります。
「深夜営業許可」があれば深夜0時以降も営業はできますが、接待を伴う営業はできません。
※できるのは飲食店と同様の接客のみ。
デュエットしたり、隣に座って談笑したりなどができません。
うちの近所のスナックは0時以降でも接待してるよ!
という声が聞こえてきそうなのですが、それでは違法になってしまいます。
お客様の需要や、ご自身の目的に合わせ、どちらかのルールに沿った営業が必要です。
いやいや、そんなこと言ったって、どこもやってるよ!
というお客様の声が、私の脳内に直接聞こえてきますが…ダメなものはダメとなっています。
無許可営業は最大で2年以下の懲役と200万円以下の罰金となります。
日々の業務に追われながら多くの細かい規定のある風俗営業の許認可をとることは至難の技です。
ルクスってなに?図面ってどう作るの?など、風俗営業許可には難問がたくさんあります。
「許可とれるかもな!」と思われた方も多いのではないでしょうか?
もちろん行政書士を介さずともご自身で申請が可能です!
ただ、ご自身では確保できない時間とわずらわしさを考えると、本来の営業のための業務に気を回せるため、行政書士に依頼した方がタイパもコスパもいい場合があります。
気になる方は、ご相談だけでも受け付けております!